「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

2018年3月のブログ記事

  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№89 雨乞の種々相

    ところで 旱天の慈雨に恵まれると 雨乞願満御礼にナモデ踊りがおこなわれました。この踊りは近世の大和に広くおこなわれた風流踊りで 囃子の中心が頭太鼓 羯鼓など太鼓であるところから太鼓踊りと呼んでいるところもあります。またナモデ踊りと呼んでも 振りや芸態はまったく同じであるが 厳密には雨乞祈願の踊りは... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№88 雨乞の種々相

    ナモデ踊り 今の稲渕  外部資料 国立歴史民俗博物館教授の岩井宏先生の調査に従うと 明日香村稲渕の場合は次の様にです。  稲渕ではカリナモデというのをおこなっていました。ナモデというのはナモデ踊りのことで この踊りは 本来雨乞願満御礼に踊るのであるが 雨乞祈願にさいして 本式のナモデ踊りより小規模... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№87 雨乞の種々相

    ナモデ踊り ナモデ踊りと云えば川西町糸井神社に有名なナモデの絵馬があって 県内には十四面の奉納された絵馬があります。ほとんどが江戸時代のもので 明治時代のものが大和高田市保食べ神社に橿原市雲梯町河俣神社には大正十年に奉納されたものがあります。 ナモデ踊り伝承地は県下に四十余算えられて 踊りの神意は... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№86 雨乞の種々相

    吉野川分水の水道橋 では川原寺のすぐのところに飛鳥川が流れ高市橋が架かっています。橋に対しやや斜めに吉野川分水(後述)の水道橋が設けられています。大和平野に感慨用水を送る大切な水路で平野の周辺部を歩くと所々で幹線水路にお目にかかる。吉野川分水が送られてくる迄は稲作を始め農作物生育に必要な灌漑用水に... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№85 雨乞の種々相

    天津石門別神社 川原寺の東すぐのところ 竜在峠から流れ下った飛鳥川は直距離にしてホンの僅かなところにもかかわらず くず神社 九頭神 竜神 靇神と雨を祈る神々があってそれもほとんどが樹木であったり 岩や石の自然神です。さて 一目でそれと判る自然神が飛鳥から少し離れた 高取町 越智字大西にあります。 ... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№84 雨乞の種々相

    ホーラクダブ 冬野川が飛鳥川と合流するところにホーラクダブという渕があります。旱魃のとき阪田と祝戸では先の葛神社で大きな藁の蛇体をつくり 領内の水田を引き回して祝戸橋の快にあるホーラクダブの渕にかけ蛇が村の方を向いて水を吐くような恰好におくと必ず雨がふったと云います。これも昭和十年頃までで 私が訪... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 今週の本の紹介です

    「暮らしの気象学」 元NHKのお天気おじさん 倉嶋 厚氏の気象エッセイです。 異常気象から天気予報まで日本の天気のすべてを分かりやすく書かれた一冊です。

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№83 雨乞の種々相

    👌《環境依存文字》坂田川をのぼってゆくとここにも葛神社があります。坂田 祝戸の二文字の氏神様である葛神社は坂田川と戎成の南部一帯の水をあつめる支流の合流点に祀られています。「奈良県高市郡神社誌」によると「神名葛を以て称せるは九頭龍の省略にして元龍神を祭祀せるものなり。神殿中に藏せる天保三年の棟札... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記No.82 雨乞の種々相

    一方皇極天皇が雨乞に跪き四方を拝んだ場所とされ 当社の雨乞願成就のなもで踊り図絵馬が明日香民俗資料館にあります。  昭和62年明日香村文化祭に「南無天踊り」復活のお披露めがあり明日香南無天踊りを拝見していると その意味するところは 美事に稔った稲穂に神の加護(天水)に感謝すると共に翌年も引き続き恵... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記No.81 雨乞の種々相

    ノーガミさん 加夜奈留美命神社に戻ってくると 当社祭神は加夜奈留美命とあって諸説あり不詳ともあります。(県史)そして解説編には「大和志」に「在 栢森村 今称葛神」とあり式内社とも書かれています。くず神社=水神には間違いなく 加夜奈留美命神社のすぐ下畑谷川と寺谷川が合流するところに 加夜奈留美命神社... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№80 雨乞の種々相

    飛鳥川をめぐる「水甘雨」への信仰 明日香川 瀨々に王藻に生ひたれど しがらみあれば なびきあわなくに 萬葉集第七 一三八〇  飛鳥 明日香川 なんと心地よい響きでしょうか。さして変わったこともないどこにでもある普通の里川です が恋と歓び 悲しみが一杯詰まった二十数首にも及ぶ萬葉歌が詠まれ 朝風の地... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳事記№79 雨乞の種々相

    川西町下永の東城」と西城との二垣内で現在は6月の第二日曜日野神祭りが行なわれています。行事に子供が参加する為です。初瀬川に架る下永橋の左岸 八幡社の境内東端T字路に東城のキヨウが近鉄橿原線鉄橋の下 下橋を渡り初瀬川右岸堤下のい西城のノーガミさんがあります。 竜の形をしたものはここでは ジャジャ馬と... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記No.78 雨乞の種々相

    奈良市のノガミさん 奈良市でも ノガミをお祀り現在も綿々と続いています。上の図は駅の案内所で配られている地図にノガミの場所を書き入れたものです 13カ所のうち地図からはみ出した二カ所は省略しました。 奈良のノガミは旧市内周辺部に散在していて西大寺野神神社と若草山野神社以上は6月1日とその前後に年の... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№77 雨乞の種々相

    ここで野神行事について慨括的なことを申し上げたい。 野神行事は大和の平野部で毎年繰り返される農借儀礼の一種で豊かな稔りを願って行なわれてきました。内容については様々な変化があったそうですが 中南和では子供仲間が主体となることが多かった。ノガミと呼ばれる塚や樹木に蛇体を巻きつけたり牛馬の絵馬や農具の... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 今週の本の紹介です

    地名にひそむ自然に対する願いと怖れ 日本中で一番多いのは「日」のつく地名 日本では「雨」中国では「雷」どいつでは「風」オーストラリアでは「雪」の地名 雨を願った「雨降山」強い風が吹かないように「風無い」などお住まいの土地の名前はなぜ?と考えてみるのも楽しいことでは?

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№76 雨乞の種々相

    ノーガミさん  大和豊年里くわず 大和豊年米食わず 大和豊年国飢饉 という言葉があります。稲作に必要な水(雨)不足がいつもの大和の 「大和の国の豊年は嬉しいことだがヨソの所は気の毒なことですヨネ」といいたい言葉の意味の様です。 さてノーガミさんを漢字で書くと 野神さん となるが どうした訳かノーガ... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№75 雨乞の種々相

    ダケのぼり 花の季節も了りいよいよ田植仕事の準備にかかる前の一とき家族や親しい人々を誘い合わせ特定の野山や海辺の人達は磯に遊ぶ風習が全国的にあります。 大和では岳のぼり 山登り 野遊びが各所で行なわれてきました。なかでも有名なものの西国三十三所名所図会にも描かれた二上山雄岳にのぼる嶽のぼりがありま... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№74 雨乞の種々相

    ヘソの水二題 上記地図は続けてご覧下さい 白石から南の方を眺めると榛原町と接するところに大和富士と呼ばれる額井岳があります。頂上に水神を祀る小祠があって旱魃の時麓から「岳のぼり」がおこなわれていました。額井岳の西国道369号線の香酔山 貝ヶ平山が仲よく並んでいます。369号線香酔峠の最も西側にくび... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№73 雨乞の種々相

    くず神社 無山寺 弁財天祠の向こうに西念堂 無山 九頭神社 新らしい九頭神社の石柱が建った。舗装された坂道を進み石段を昇ると 靇神を祀る無山の九頭神社本殿に至る この九頭神社から100㍍程北にむや待とうがあります。無山寺に西念堂があります。室生の竜穴神社に千日詣をして降雨祈願に神通力を得たといい西... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№72 雨乞の種々相

    くず神社 南之庄の国津神社は農業神 水神としてふるくから尊信されていました。当社背後の柏峰に二十数個の岩石群があり 国津明神の鎮る磐座といわれ古代人の民俗信仰の名残ともみられます。 国津神社に「雨請」願満のお礼に奉納された御手洗です。 甲岡の国津神社棟札には九頭大明神と書かれています。このほか「雨... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№71 雨乞の種々相

    くず神社 次に都祁村白石を中心とした地域の図と表(昨日と同様のもの)をみていただきたくお願いします。 友田には降ってきた雨がうまくわかれて流れる様にと大和四大水分の一つ都祁水分神社が そして小山戸東には都祁の山霊を祀る都祁山口神社があって共に貞観元年(859)九月八日「風雨祈願のために」奉弊を受け... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№70 雨乞の種々相

    くず神社 水に関係のある丹生 水分 山口神社の分布を示しました。これ等の神力は大体祈雨神祭に預かった式内社で 今の言葉で云えば行政側の祈りを捧げた神々です。一方少ない「雨」に自然神 地主神に敬謙な祈りを捧げてきた無享の庶民が降雨を祈願する模様も記して来ました。その一つにくず神社の場合を上げます。 ... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 今週の本の紹介です

    古い本ですが 日々の気候変化と 諺 を綴っています。

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№69 雨乞の種々相

    くず神社 図a 図b 図c 以前奈良県の年合計平均降水量分布図a~c図です B図は暖候期稲作期間の合計平均降水量分布図を描いたものです。 稲作に必要な水(降水)の量は雨の量に換算しておよそ2,000㎜と云われています。がしかいb図で判るとおり空から降ってくる雨だけでは必要量の半分にも足らないことが... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№68 雨乞の種々相

    傘堂 三つ目の当麻町新在家にある傘堂です。当麻山口神社の北 大池の東にある傘を広げた形も小堂dれす。もとは鐘が掛けられ阿弥陀仏が祀られていました。この傘堂の詣でれば四苦(生れる 生きる 病めの 死の苦しみ みを指す)の最後の死苦」から逃れうる。という信仰があります。傘堂に三度祈願すれば 長い病でも... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№67 雨乞の種々相

    傘堂 農家にとって、一般市民も大切な水(降水量)が決めて不足している大和の国では雨が降ることを祈って色々願望をも含め種々手段を講じてきました。文字通りうつ陶しい記述長々と続いたのでこの辺りで一時休憩して小見出しの傘堂について記す。 一般に県下には三つの傘堂があると云われています。 その内の一つ 柳... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記難波66 雨乞の種々相

    牛を殺して雨を祈る② 一方「日本書記」履中紀四年の「石上溝」(いそのかみのうなで)に当たる水路や三島地区を流れる流域から多量の馬歯 馬骨が出土されているのが注目され これらの意義については色々と論議されとぇいるが 布留遺跡範囲確認調査委員会の委員の報告では石上神社近くで多量に出土し、牛が含まれてい... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№65 雨乞の種々相

    牛を殺して雨を祈る 日本書記 皇極天皇元年七月の条に「村々の祝部の所教の随に 或は牛 馬を殺して諸社の神を祭りに 或は頻りに市を移し 或は河左伯に禱るる。飛鳥川上坐宇須多伎比売命神社の場合参照 牛馬を殺して雨降りを願ったといふ事に奇異を感じ容易に信じがたかったが いろいろ調べているうちに次の様なこ... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№64 雨乞の種々相

    雨乞と弁財天 広陵町的場の大福寺には十一面観音立像の左右に難陀龍王像と雨童子像が並んでいてこの辺り小雨傾向の土地に適雨をとの思いが込められている様です。 また同寺には「端夢記」が伝えられています。弁財天信仰に関する説話を集め この話の中に「去る弘安九年(1287)七月の頃当国の中をびただしく旱魃し... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№63 雨乞の種々相

    弁財天と雨乞  近鉄電車生駒線を王子行に乗って南に向うと元山上駅に着く少し手前左の車窓に僅かな間ではありますが大きな勧請 なわ が見られます。元山上駅のツイ目とハナの先に生駒谷 平群」谷の雨請の寺金勝寺があって 本堂の右に青躰竜王 雨師大明神が祀られています車窓から見た なわ はこの地方では竜神勧... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 今週の本の紹介です

    「水の思想」 日本人の中に「精神的風土の特質を水社会 稲作文化から思索した内容です。 30年にわたる利根川流域の調査で水との関わり合いを見つめたものです。

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№62 雨乞の種々相

    鐘と雨乞  川西町結崎の糸井神社では願果し相撲絵馬を紹介したが同神社拝殿には この他雨乞に村の若い衆が裸で釣鐘を担いで神社に詣り 境内の池に放りこんで雨を祈った明治二十七年に奉納された絵馬があって 褌に鉢巻姿の若者たちが夜中 松明・提灯をかざして神社に鐘を担ぎ込むところ それを池に漬けるところを描... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№61 雨乞の種々相

    福応寺の板仏  香芝市福応寺に祀られている板仏には次の様な話があります。香芝 良福寺の方から流れてきて 狐井の東側を流れている小川を津川といいます。昔 ある婆さんがこの川で洗濯をしていると 池のいで板に描かれた仏様が流されてきました。大層有難たい仏様であったので 狐井の「ドヤマ」の下にまつったのが... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№60 雨乞の種々相

    その他の雨乞③ 上の図は県教育委員会が昭和55年 56年の2年にわたり件内民俗文化財分布緊急調査の成果を地図化したものでそれを そっくりうつしたものです。 解説には 「雨喜び 雨乞い」 無数の溜池を作って農耕に不可欠な水の確保につとめてきたものの、旱魃にみまわれることの多かった大和では 人々の切な... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№59 雨乞の種々相

    その他の雨乞②  田原本町の井寺戸では初瀬の白河と車谷の間にある竜王さんの水を竹筒に受けてきて鉦太鼓法蝶貝で村のまわりに少しずつ撒いて歩きました。  奈良市の長谷にある塔の森は石の塔知られていますがここの井戸の水は近在の雨乞水になっているそうです。  その他 氏神様にお千度をふみます。  村中が松... 続きをみる

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