「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの「うのん」から大和気象歳時記十津川

お大師さまと上湯川
高野山は弘法大師さまが開いたことで名高い山じゃ。
その大師さまが、高野山を開くまでに、全国各地を修行して歩いたのじゃ。そのおり、この上湯川へも立寄られたらしいのじゃ。とくに、大師さまは、人びとが修行するのにふさわしい道場をどこで開くかと、各地を旅して探したようじゃ。


上湯川の上流、古谷川に今でも「見残し滝」というのがある。
これは、大師さまが、谷々を調べ数えるうちに、この滝だけ見落としたらしく、それでその名がついたらしい。(上図左下に上湯川の上流)この見残し滝は、寺垣内の少し上の、大野というところにあるのじゃ。
上湯川の古道を歩いて行くと、道端に「大師がわらじ履き替えたところ」というのがあって、里の人びとは、そこを通るときには榊や花を供えたものじゃ。
また、梅垣内の奥に、大師さまが旅の途中、お弁当を食べるとき使った箸を地面に差したら、のちにその箸が根を下ろし杉の大木になった、と言い伝えられた大杉があるのじゃ。この大杉は、地上3メートルほどのところで三本に枝分かれした大木で、1200年の年令を数えるといわれる。里の人びとは三本杉と呼んで大切にしているのじゃ。
大師さまは、山の中でのどが渇き水に困った。
そこで、旅する者が、こんな山中で水がなくては、たいへんだろうと、この三本杉のところで、水が湧き出るようにと祈り、きれいな水を導きだされたと言い伝えられている。この清水は、今も尽きることなく、こんこんと湧き出ているのじゃ。

■住所 630-8053 奈良県奈良市七条1丁目11-14
■℡  0742-43-8152

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