「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

2021年2月のブログ記事

  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「五条のむかし話」から 「地福寺の天つぼ」から その二  ③ さて、ぶじ役目を果たした慶海法印らは、帰ることになりました。その途中の出来事であります。 船で鳴門の辺りにさしおかかった時、今までおだやかだった天候が急に変わりだしました。青空は、いつのまにか消え、まっ黒な雲が、船をつつみこんでしまうか... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「地福寺の天つぼ」から その二 ② なにしろ、たいへん重い、大きな壺であります。また、割ってはならない、たいせつな壺であります。 一日も早く、この壺を阿波の国まで、運ばなくてはなりません。石ころの多い山道を、重い壺をかついで、歩くことは、なみたいていではありません。長い長い道のりを、つかれても、休... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「五條のむかし話」から 「地福寺の天つぼ」 その二 ① それから、『雨を降らした天壺』の話は、国じゅうにひろまりました。 阿波の国(今の四国地方)では、その話が、ずっと後まで、言い伝えられました。 寛永三年のことであります。阿波の国をはじめ、西日本に、たいそうひでりが、幾日も幾日も続きました。四月... 続きをみる

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  • 薬師寺近くのうのんから大和気象歳時記

    「五條のむかし話」  「地福寺の天つぼ」 ④ 小角が、祈り始めて、三日め、あたりが、ほんおり明るく白みはじめたころ、滝つぼの中から、髪もまゆも、まっ白な老人が、大きな壺を両手にかかえて、現れました。 「わたしは、龍宮から来た使いの者である。あなたが、天子の命によって、雨乞いをしているというから、や... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「五條のむかし話」から 「地福寺の天つぼ」 ③ このように、宮々、寺々のお祈りのかいもなく、ひとしずくのおいしるしさえないので、どうどうたまりかねて、天皇は、おもだった人たちを集めて、会議を開きました。 「もし、六月になっても、雨がふらなければ、たいへんなことになる。何か、よい考えは、ないものか。... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「五條むかし話」から 「地福寺の天つぼ」 ① 今から、およそ千三百年ほどのむかし、むかしのお話です。 天智天皇さまという方が、おられて、日本の国(今の奈良県)に、住んでおられたのです。 そのころの白鳳七年に、それは、それは、ひどいひでりが、国じゅうをおそいました。四月の初めごろから五月の終わりごろ... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「五條のむかし話」から 「しめし掛けの森」 むかしむかし、ずうっとむかしの 神代(かみよ)の頃のお話です。 阿陀(あだ)の里に、阿陀比売(あだひめ)といって、それはそれは 美しい女の人が住んでおりました。 阿陀比売は、ににぎの尊(みこと)のおこさきにあたる人ですが、その美しいことといったら、まるで... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「五條のむかし話」から 「権兵衛坂」 牧野小学校から国道を南へ一キロメートルいきましたところに、ごんべいざかという坂がごじます。 とにかく今は、道もひろくなってほそうされ、国道とまでなりましたが、その昔は、雑木林の中をつぬいた村の通い道でございました。 権兵衛だぬきか権兵衛ぎつねか、それは私にもは... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「五條のむかし話」から 「片身のじぞうさん」 むかしむかし 大深の村はずれにお地ぞうさんをお祭りしてありました。このお地ぞうさんは村人たちのねがいを何でも聞きとどけてくれるので、村の人たちのお参りしない日はありませんでした。 ところがある日の夕暮れ、人そうの悪い一人の武士が通りかかりました。お地ぞ... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「五條のむかし話」から 「笠之辻のお地蔵様」 五條駅から、東の方へ五分位歩くと、むかしの伊勢街道の」そばに、小さなお堂があります。それが笠之辻のお地蔵様です。笠之辻のお地蔵様が、どうしてここにおられるのか、ということを、お話しましょう。 今から千年位前のこと、今の五條の町に、武者所康成という武士が... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「五條のむかし話」から 「音無川」 栄山寺のあたりは、とても景色がいいところです。お寺の前の水かさも多く、青くよどんで流れているあたりを、もう一つの名まえで音無川と呼ばれています。なぜそう呼ばれるようになったのでしょう。 むかし、弘法大師が諸国をまわって、栄山寺へも来られたときのことです。そのころ... 続きをみる

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    「五條のむかし話」から 「お大師さまと犬飼のお寺」 そんな、思いがけないできごとがあってか、お大師さまは、道を見うしなった。 「こんなところで、とどまっては、高野山につくのが、おそくなるばかりだ。」 つぶやいたとき、すぐまえに、狩人姿の大男が、たちふさがった。三メートルばかりもあろう、ヒスイいろの... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「五條のむかし話」から 「お大師さまと犬飼のお寺」 ② 金剛、かつえあぎの山々は、はいいろにけぶり、つめたい冬空にそびえていた。その山すそを、息もつかずにあるきつづけた。やがて、はるかに吉野川が白く光って見えはじめると、お大師さまは、足をとめた。 「あの、山のむこうが、高野山だ。」 たびのつかれも... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「五條のむかし話」から お大師さまと犬飼のお寺 ① いまから、千二百年ほどむかし、京のまちから、南へいそぐたびびとがおった。 きんらんの法衣にみをかため、小さなにもつを、せおっていた。四十才をこえたばかりのおぼうさんのようだが、足どりはかるくとてもそうとは、思えなかった。まるい、おおきなすげがさが... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「五條のむかし話」から 「今弁慶」 2 さて今弁慶。 ある時のこと。牛車に米俵を十何俵もつんで、下淵の下流「坐頭が淵」という細い道を通っていました。下が切り立った崖の下をうずまく吉野川。上はかぶさるように木が茂る険しい山。なんぎしながら牛をすすめていると、ちょうどそこへ、殿様の行列が通りかかりまし... 続きをみる

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    「五條のむかし話」から 「今弁慶」 むかし、五條の東浄に今弁慶とよばれる力もちが住んでいました。弁慶の生まれかわりだといううわさされるだけあって、からだは、はがねのよう。背は あくまで高く、胸にははえた毛は、まるで針のようであったといいます。 その今弁慶が、ある時、東浄の寺 「のつりがね堂で昼寝を... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「五条のむかし話」から 「井上内親王」 2 「それから 何年かしてなー御陵より大鳥がとんできたんやと何のしるしかと思ってな 裕美という人に占ってもらうと『ここが雷神王ゆかりの地だ 神社をたてて おまつりしなさい』と、いわれたとかで、そのとき建てられたのが 牧野の御霊神社なんだよ。文明四年(1473... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    五條には「天誅組の変」という幕末の尊攘派の志士たちによっておこさあれた事件がある。徳川から明治に代わる 熱き思いの初まりの地ではないかと思います。 その五條に伝わる話を紹介しています。 「五條のむかし話」から 「井上内親王」 私は、近ごろになって 毎晩のように 母に おとぎばなしをせがんだ遠い昔を... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「五条のむかし話」から 「荒坂の長者」 むかし、むかし、荒坂峠のあたりに、荒坂の長者と呼ばれるお金持が住んでいました。 この荒坂の長者につたわる話が二つあります。 一つめの話は、荒坂の長者のむすこのことです。 荒坂の長者に、一人のむすこがいました。そのむすこは、なまけ者で働くことがきらいなので、い... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    うのんから所蔵の本の紹介です。 ☕のみながら コロナが落ち着いたら読みに 見に来て下さい レアな本結構多くあります。 「五条の昔話」から 「雨乞い」 むかし、むかし、大ひでりの年ありました。いく日たって夕立雲一つ見えず、雨はひとしずくも降りませんでした。作物はみんな枯れてまいあがりどの畑も黄色くな... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「川上村の昔話」から 「伯母峰の一本足」 そねして、それが湯の峰がいいな、湯治に行とったちゃうんやな。ほいで、 「わしが湯入っとる間は、絶対人に見せんな」 ちゅうて、ほいでお前、人にその見るなし、誰も見にくんなちゅうて、へてひとり湯の峰の温泉で療養しとったの。それをその、いまのある人がひょっと見た... 続きをみる

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    「川上村の昔話」から 「姥捨て山」 年寄りできてくるとねえ、食糧がないために、姥捨て山に捨てに行くと。その行くときが負うてねえ、若い衆が負うて行くんやけど、背中で負われとる人、年寄りは、若い衆の帰り道ねえ、迷うたら悪いから、迷うたら悪いからねえ、あの、枝、行く道の枝々を折りもって行ったちゅうことで... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「川上村の昔話」から 「たるまると蛇」 まる師というのがおってね。まる師がひととこでまるをようけすると、かんなくずがぎょうさんでけるんですわ。そいつをそこへほかすじゃんすんですわ。ほいたら、その人らが大勢泊まってね、たるまるをこしらえとったら、米が減ってしょうがないてね。 「どうしたんやろ、こらど... 続きをみる

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    「川上村の昔話」から 「吸い付き」 「ヨクスイツイヤススイツイテミヨー」言うて、バタバタと木からおりてきて、からだに吸い付いたっていう。どこかで、夜になったらスイツキボースイツキボーいうのが来て、山歩いっとたら、 「イヨースイツキャスイツイテミヨー」て言うで、 「いえ」て言うたら、 「イヤー」と言... 続きをみる

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    「川上村の昔話」から 「子育て幽霊」 (お墓から)木の葉かきわけて出てきて、つけて行ったら、また木の葉かきわけてはいとったいう話。  お墓で赤ん坊が泣いて、雨も降ってきて、不思議に思うて、明くる日お墓へ行ってみたら、うずめたところの木の葉がかきわけられてあったという話は聞いたなあ。

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    「川上村の昔話」から 「山の神と海の神の争い」 たわごとみたな話やけど、山の神さんと、その、海の神さんとのものの言い争い合いになったらしいわ。数でいこらて。その、こっちゃは桜や桃や梅や言うて、杉や桧や松や言うし、海の神さんがもう、その、なんでいたらしいわの、魚の名でくんねて。海の名も、その。 へた... 続きをみる

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    「川上村の昔話」から 「かいねか、とちがゆか」 あんたがまあ、おうちへお客さんに来るわね。へたら、その、来て、 「うちぃ泊めてくれ」言うて、 「泊まってくれ」言うて、まあ、こうやって休んどるわ。それから、あんたにお腹すいているやろうからと思てな、 「あんたお腹すいているやろし、お夕食のまわりせなな... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「川上村の昔話」から 「くさかった」 お爺さんとお婆さんがおってね。お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行って、お爺さんは山でおならこいてね。プッとこいたんやて。ほいで、 「くさかった」って帰ってきた。 柴を刈らずにくさかった。 本のある喫茶店 うのん から今月のお知らせ 4日(木)は臨時... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの うのん から 如月のお知らせ

    今月のお勧めです 春を告げる 二月堂のお水取り と親しまれている行事 春を待つ思いは今年はいつもより強いです。

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  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「川上村の昔話」から 「筆ふき草の話」 草でな、お大師さんが矢立てでな、字書くねん。筆を草でふいたら、その墨がな、ちょうど筆をふいた、はさんでふいたように、両方とも黒い植物がありまんねや。こら、今でもありますわ。ここらじゃないけどな、よう山行くと、葉をな、両方とも筆をぱーっとふいたようにな、一枚の... 続きをみる

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