「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くから 大和の気象歳時記No.78 雨乞の種々相

奈良市のノガミさん

奈良市でも ノガミをお祀り現在も綿々と続いています。上の図は駅の案内所で配られている地図にノガミの場所を書き入れたものです 13カ所のうち地図からはみ出した二カ所は省略しました。

奈良のノガミは旧市内周辺部に散在していて西大寺野神神社と若草山野神社以上は6月1日とその前後に年の一度のおまつりをしています。
その中の一つ紀寺のいノガミを紹介します。

紀寺のノガミ期日6月1日 名称ノガミさん 場所 紀寺領のほぼ中央 能登川の左側 もともと周囲は田甫であったが多分にもれず現在は住宅が建って個人宅の裏庭続きにあります。塚の形状 もとは周囲の田甫より少し低かったというが現在はコンクリートで区画されています。祭神 ノガミ(農の神)6月1日以外に祀ることはないという。行事の内容 6月1日早朝5時頃から紀寺の農家が各自まいる。かつては牛を連れて牛の首の化粧まわしをつけ或いは額から角へショーブを鉢巻のようにまきつけて塚を右回りに三度まわらせ酒をのませたらしい。当地の古老に尋ねると ご自宅の裏庭に農家の人達が集まり祭事のあとの歓談中で 当の古老は「ノガミさんをせなんだらその年うまく雨が降って呉よらん せやから心こめてノガミをお祀りせんと落ち着きませんのや」と 野神を祀る気持ちを聞かせていただぉました。ここでも田植え季をひかえ農家の人達の雨への強い期待を知らされました。

西大寺野神町の野神神社 祭神は 別雷命(水神)

若草山山麓にある野上社 若草山山焼には この野上社に山焼の無事を祈って点火されます。

芝辻のノガミ

×

非ログインユーザーとして返信する