「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

2018年1月のブログ記事

  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№30 密教と竜王信仰

    密教の請雨法  特に請雨経法においては 祈願の対象は竜王でした。竜王への信仰は現在も続いて雨乞習俗とは深いかかわりがあります。 竜王は水中に住み雲を呼び雨を降らす能力を持つもの との信仰があって「大雲林請雨経」によれば 竜王は一切衆生のために安楽を施し甘雨を降注すると信じられていました。「孔雀明王... 続きをみる

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  • 薬師寺近くの本のある喫茶店 うのん から 2月の予定です

    うのん お休みは 5日(月)      18日(日) 19日(月)      25日(日) 26日(月)      ※ 12日(月)は営業します。        15日 (木)は午前9:00から午後0:00までの営業です。    イベントのお知らせ       西の京周辺の社寺仏閣のお話会    ... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№29雨乞⑩読経礼仏と祈雨

     請雨が仏教儀礼によって行なわれた最も早い例は 先にも記したとおり推古天皇三十三年(625年)高麗僧恵灌に命じた祈雨 続いて 皇極天皇元年 蘇我大臣の意見によって読経と礼仏で降雨を願いました。次に天武天皇五年(676年」)夏の大旱に諸社に奉弊 僧尼を請して三宝に祈らしめ 同十二年(683年)と持統... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№28 雨乞⑨徳治思想

    徳治思想 霊亀元年(715年)6月12日の祈雨に際し 周の宣王や漢の武帝が徳を修め政を勤めて雨を致しました 故事には 大政官は「昔渚周王旱有雲漢之詩 漢帝祈雨興改元之詔」奉上しています。  天正天皇養老6年(722年)7月7日の詔に「日照りが続いて雨をみないのは朕之薄徳のためでらろうが 百姓に何罪... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 今週の本「日本の古代遺跡」

    日本の古代遺跡 奈良北部  前園実知雄氏 中井一夫氏共著 日本列島には北から南まで遺跡があります。このことは非常に珍しく 日本列島全体が住みやすい所だったのではないでしょうか?

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№27 雨乞⑧

    飛鳥川上坐宇賀多伎比売命神社の場合  十四文字もの神社名は珍しいです。います処は大和川上上流飛鳥川源流に近い稲渕と栢森の中間右岸宮山の上に在って祭神は宇須多伎比売命 神功皇后 応神天皇を祀っています。土地の人は「宇佐さん」と呼んでいます。「飛鳥古跡考」に「宇佐官ノ下なる川中に少しき渕めり 皇極請雨... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記 26 雨乞⑦

    宇太水分神社の場合 宇陀郡菟田野町に大字古市場に鎮座しています。宇太水分神社は社伝によると 崇神天皇七年(前90年)大和におかれた四水分神社の一つで宇陀地方の総鎮座 水の守り神として信仰を集めました。第一殿にあめのみくまりの神 第二殿にはやあきつこの神 第三殿にくにのみくまりの神 と水の神三神を祀... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№25 雨乞⑥

    水分の神  大和には吉野 宇陀 都祁 葛木 の四カ所に水分の神が祀られいて 田畑の灌漑を司っています。  「延喜式」巻八の新年祭の祝詞には 水分に坐す皇神等の前に白さく 吉野 宇陀 都祁 葛木と御名は白して辞意へ奉らくは 皇神等の寄さし 奉らむ奥津御年を 八束穂の伊加志穂に寄さし奉らば 皇神等に初... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳事記№24 雨乞⑤ 大柳生の太鼓踊り

    夜支布山口神社の場合  大柳生の太鼓踊り 大祭は8月18日ですが前日を賀当といい その夜当夜の庭で盛大な太鼓踊りが催されます。太鼓踊りが毎年今も踊られるのは 上柳生がもっとも代表的です。もとは 大和の東山中から吉野にかけて また国内でも 石上社や和爾社などの神社を中心とする郷村でさかんに行なわれて... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№23 雨乞④

    雨乞④ 皇居に近い六カ所の山は帝室の御料林でした。宮殿造営のための木材伐採運搬という危険な仕事の為の山の神に対してその入口で祭典をし 伐採 運搬という危険の無事を祈願したと思われています。  石寸山口神社 写真は外部資料です 桜井市谷に鎮座し 大山祇神です 「大倭国正税帳」(天平2年)に石寸山口神... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和のきしょうさいじき№23 雨乞③

    雨乞 山口神社の内より 「延喜ぶ式神名帳」にはつぎの十四が出ています。 添上郡 夜支布山口神社 葛上郡 巨勢山口神社 鴨山上神社 葛下郡 当麻山口神社 大坂山口神社」 吉野郡 吉野山口神社 城上郡 長谷山口坐神社 忍坂山口坐神社 高市郡 飛鳥山口坐神社 畝火山口坐神社 十市郡 石村山口神社 耳成山... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№21 雨乞②

    雨乞②  続日本紀 天平宝宇七年(763年)五月二十八日条に「奉弊旱 子皿畿内郡神 其丹生河上神者黒毛馬 旱也」「延喜式」祈雨神祭のなかに「丹生川上社貴布彌社各加黒ゲバ一疋 中略 其霖雨不止祭料亦同 但馬用白毛 凡奉弊円生川上神者 大和社神主随使向社奉之」大倭神主註進状に「此神者雨師神也祈雨止霖雨... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 本の紹介

    「奈良町 その魅力を探る」 平成6年2月奈良市経済部観光課発行 の小冊子です 旧奈良市内は平城京の条里制が残り 第二次世界大戦でも戦火をのがれ 当時の面影が残っている街並みです。 元興寺を中心にした 街並み 社寺仏閣 由緒ある建物をわかりやすく紹介しています。 新しいものも発行されていて目にされる... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№21 雨乞

    雨乞の種々相 丹生神社の内より 丹生川上神社 中社の場合  同社略記によれば祭神はみつは(みつ象)女神(のめかみ)「みつ象女神」は伊那奈伎 伊那奈美 の神の子神で天照大神とは御姉妹とあり 水に関する一切の神徳をうけられとあります。由緒には天武天皇白鳳4年(676年)「人ノ声ノ聞エザル深山吉野丹生川... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№19

    井戸 かくし井戸 大和平野のうち南和に多い かくし井戸 に言及しておきます。普段のとは 一見普通の田甫ですが 旱が顕著になり 水不足がひどくなると 田甫の一部に1㎡あるいは1㍍に2㍍ 深さ4㍍内外の井戸を掘ってあって水不足を一時しにぎにしました。根本的にこの井戸は田甫の持主のもの 大正末期ごろから... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№18

    大和溜池№3  盆地の小雨気候に支配されて 河川も水量が少なく 不安定のため早くから溜池に貯水をし 田植水に備えています。最も早い「寒水」と称して1月ごろから始めます。この貯水はそれぞれの河川の井関から引水します。この井関には古くからの水利慣行が継続されています。要するに奈良盆地は地形の平地性と文... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№17

    大和の溜池②  溜池の形は正方形か長方形で古代における条里制と密接な関係があります。しかし山麓や馬見丘陵には谷の一方をせき止めた不規則型のものがおおくあります。中でも馬見丘陵」は殆ど一筆のごとく「つぼ池」といわれる小さい池が無数に散在しています。  平地部の池はほぼ形が整然としているのに対し丘陵や... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№16

    大和の溜池① 現在の奈良新聞に「大和の自然」の中から池についての記事がありそのまま記します。  奈良盆地は全国でも有名な溜池灌漑が発達しているところで 讃岐平野 大阪平野とともに溜池が多い。  溜池の総数は15,000分の1の地形図で見ると約3,000であるが小さい溜池を入れると総数13,800に... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№15

    大和の農業用水 一般に稲作に必要な水の量は 雨の量に換算して2000㎜と言われています。大和平野の穀倉地はいずれの場所も条件に合いません。また古代大和の土地は他の地方よりも早くから開け東洋では中国西安についで多くの人口をかかえ、飛鳥 奈良の都は五穀の一台消費地でもありました。しかし五穀の豊穣を期待... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№14

    旱魃から池造りにはげむ 1 A B c A・Bの図は気象庁観測技術資料によって描いたもので A図は 年平均降水量分布 B図は稲作期間5月から9月としたときに5ヶ月間の合計平均降水量分布図を示したものです。C図は昭和28年奈良に測候所(以前は橿原市)が移転後梅雨期 小雨1位の降水量の記録です。(ちな... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№13

    奈良における旱魃の記録は多くあります。 その中で江戸時代4中期 享保9年(1724年)夏の大旱魃 月堂見間集には 6月上旬より(中略)大坂 奈良の辺りは70日余も雨降り不申候 とあって 2ヶ月に及ぶ日照りを報じています。 明和3年(1766年)7月分ー9日大仏池 (東大寺図書館長堀池春峰氏註 現在... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 本の紹介です

    「萬葉の植物」豊穣編 著者 西川康行氏 万葉集に最も縁の深い春日大社の神域に一隅に 昭和2年に開園されました。 食料 医療 染料 医療として万葉人の生活と繋がる様子を垣間見ることが出来ます。

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№12

    奈良盆地には溜池が多くあります。稲作には水が多量に必要であるためです。自然の力が重要であるからです。 旱魃と雨乞  暴風雨 洪水 旱魃 他幾多の気象災害が現代まで続いています。ここでは少し旱魃について触れていきます。  推古天皇33年(625年)の旱魃 元亨釈書 夏天下大旱 詔灌祈雨 灌著青衣講三... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記№11

    昨日のブログに書き忘れたことがありました 稲の枝分かれの時期には 十分な水を与えることが重要でその役割が 梅雨です ジメジメした気候は生活には不便ですが 稲作には恵みの雨です。 歴史時代 気象が原因と考えられる災害の数 多くの歴史書くの研究 古文書の解析 日記類の整理と照合が進み重ねられた結果から... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記

    水田について 「延喜式」の大抜詞では 畔放 溝埋 樋放 を天津罪の筆頭にあげています。 水田破壊は 社会犯罪の最たるものとされたわけで 高天原説話においても スサノオノミコトはこれを犯したために 手足の爪を抜かれた上で 国外追放となっています。 稲作と梅雨 イネはもともと熱帯産の水草であるから 多... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記

    外部資料 水稲栽培 大陸の稲作民が日本に移住して来た時 彼らは同時にトータルシステムの一環として 五穀も持ってきたと考えられます。純粋に稲作だけという農耕はなく またイネだけでなく 五穀もこの国土で自生した形跡は全く見られません。    しかし この国土に定着した農耕の主力は やはり初めから水稲で... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記

    弥生時代 同じものが続きますが 本文との関係があるところを大きくしました。 弥生時代は 水耕耕作が西から東へ さらに東から北へ向かって広がった時代です。稲作 特に水稲耕作の展開は その後の二千年間の日本の文化を決定しました。今日我々が日本文化と呼ぶものは 第一次生産様式から始まって 文学 宗教 芸... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記

    縄文時代 縄文時代のはじめは 気温はなお引き続いて上昇を続け 今から約6千年前最も暖かくなり、以降今日に至るまで 何回となく寒暖の波を繰り返してながらも 全体としてはゆっくり下降しつつあるかのように見えます。昨日添付したモノと同じです 縄文時代の寒冷期が終わると 気候はふたたび温暖化し 縄文晩期の... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 本の紹介です

    これから大寒です 柔らかな日差し咲き誇ろ花々が待ち遠しくなってきませんか 万葉人の見た 「萬葉植物園」の花々を紹介されたほんです 野辺のに咲くく花 微笑ましくなって頂きたく紹介させて 頂きます。

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記

    昨日のブログ約2万年前から 全体的に地球の気温が上昇を続け海面もまた上がりつづけました。 この結果 最初にまず津軽海峡が切れて 1万8千年前後 すぐ続いて朝鮮海峡(対馬西水道)が切れ 次に対馬海峡(対馬東水道)が切れ 1万6千年前後 これで 黒潮の分流は対馬海流となり日本海に流れこみ 地球の自転の... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記

    この図は一昨日とおなじです 海図を元にして 水深140㍍の等深線を描いたものです。我々の国土はひと続きの回廊となり 丁度 古代人が腕輪に使っていた釧(くしろ)のようなかたちで 北と西で大陸につながっていました。 昇温期 二万年前を過ぎた頃から 北半球の気温は少しづつ上がり始めました。大陸氷床や山岳... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記

    昨日投稿したブログが うのんのブログで出てこないので再度書きます 1月5日分 気象現象は気圧配置と地理 地形でほぼ決まりますが その場合海面の広さや 水温分布が大きな影響を持ちます。例えば北陸の冬の大雪は日本海の水温分布が重要な役割を演じています。その日本海の現在の水温分布は日本と大陸との間が海峡... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 気象歳時記

    気候変動№2 日本の気候 我々は毎年 春の強風 梅雨の長雨 夏の炎天 秋の台風 それに冬の大雪と この国土の四季の気象の移り変わりを、我々が体験するようになったのは今からおよそ1万年前からです。 最近の地史学の示すところによると 現在我々が住むこの国土が大陸から切り離され 今見ような弧状の列島とな... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和の気象歳時記

    気候変動 はじめに 平成6年4月28日付け毎日新聞に 気象庁「以上気象レポート」と題し次の様な記事が載っていました。内容は温暖化傾向続くという見出しで1,990年の冬は平年を1.4℃上回りました。またこの100年間で地上気温が0.5℃上昇 この様な状態は続き2,025年には平均気温は現在より1℃上... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 大和歳時記

    外部データーです 奈良の気候 奈良県は山に囲まれた土地である事は昨日のブログで書きました。 冬から書いていきます。 冬特徴的なことは日照時間の少ないことです。例として1月は大阪と比べて21時間 東京と比べて55時間も少ないです。西高東低の冬型気圧配置では午前中は晴れていても午後には雲が発生して太陽... 続きをみる

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  • 薬師寺近くから 新年明けましておめでとうございます。

    平成30年元旦 悠久の地からの風景です 奈良県は周囲を山に囲まれた 東西62㎞南北102㎞3,690㎢㎞の内陸県です。その中央を西流する吉野川に二分されています。 北部は温暖小雨 南部は山岳部で低温多雨 香水量は南東部では年5,000㎜を越す大台ヶ原は特に有名です。 この大池(勝間田池)も溜池の役... 続きをみる

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