「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

2021年5月のブログ記事

  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「守目堂の由来」 ② 今のように交通機関も発達していませんし、山の中に行くのは大変な事でした。ふもとの時、近くの矢付尻というところの白山権現に、ささやかな観音堂のあることを思い出したました。「壺阪までは行かれないけれどお部屋の深い観音さまは、きっと私の願いをかなえて下... 続きをみる

    nice! 5
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「守目堂の由来」① むかし、森面堂村に儀兵衛という中年の男が妻と住んでおりました。その夫婦には子どもがありませでした。わずかかばかりの自分の田畑地主地主から預かった少しばかりの田地を耕作して、豊かではありませんでしたが、生活には困ることもなく暮しておりました。 ある夏... 続きをみる

    nice! 5
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「大きな櫟の」」 ②  ある晴れた日、覚弘坊は「もしもし天狗さん、支那から良いお土産を持って帰ったよ」と、櫟の木の下から優しい声で呼びかけました。木の枝からちょいと赤い顔を出しました。「何、どんなものか」と、すごみをきかした声で、問い返しました..坊さんは「しめた、天... 続きをみる

    nice! 5
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「大きな櫟の木」① むかし、あるところに、大きな大きな櫟の木が天にもとどかんばかりにそびえていました。 その枝は四方に広がり、その村全部をすっぽりと包んでおりました。 村人達は、あのまばゆいばかりのお日さまの光を知らず、またあの澄みきった美しいお月さまの明るさも知りま... 続きをみる

    nice! 3
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「宝剣子狐丸」 ある時、布留の里の女が、木枯の吹く寒い冬の夜、淋しい菅の森にさしかかりました。ひとりではなんだか心細く、こわいなあ、何も出てこなければよいが、と思って歩いていると、後から呼びとめる声がしました。 「もし、女衆さん、わたしの子どもがお腹をすかして泣いてい... 続きをみる

    nice! 5
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「布留の名と神杉」 布留の名はどうしてできたのでしょうか。その事については、いろいろ言われていますが、次のような話もあります。 昔、今の布留川の上流から、一ふりの剣が美しい水の流れとともに、泳ぐように流れてきました。そして、ながれながら剣に触れるものを、次から次へと二... 続きをみる

    nice! 5
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「車返し」② また "車返し”には、こんな伝説もあります。 昔、白河天皇の勅使が、多武峰、大和神社 石上神宮等への参詣の折、車に乗ってここを通ると、にわかに車がころんだ。不思議に思った勅使が、最近のもの占いをさせたところ、 「三十町西に管田明神があって、東を向いておら... 続きをみる

    nice! 4
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「車返し」 天理市の田部から川原城に通じる奈良初瀬街道に"車返し”というところがあります。 この地名の由来については、いろいろの説があるようです。 昔、桓武天皇の御代征夷大将軍・坂上田村麿が車に乗ってここを通りかかりました。するとどうしたことか、にわかに車が泊まり、あ... 続きをみる

    nice! 5
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「在原業平と井筒」 平安朝の頃、在原業平は今の天理市櫟本町の在原寺のあたりに住んでいました。業平は歌をつくるのが上手な人で、なかなかの男前、女の人に好かれる男性でした。幼い頃、仲よしの女の子とそばの井戸に姿を映し合い井筒のへりに小袖をかけて遊んでいました。女の子は業平... 続きをみる

    nice! 5
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「白い蛇」 今の天理駅西の西の方、南六条町に杵築神社があります。この神社の境内には、釈迦堂・薬師堂・観音堂などがあって、そのうちの観音堂についてこんなお話があります。 ある大変寒い冬の日、観音講が営まれました。寒行詠歌西国三十三番をあげ終った人々は、あまり寒いので、堂... 続きをみる

    nice! 3
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「梅さんの鏡」 むかし、豊田という村に大変、あずしい油屋の梅さんという男の人がくらしていました。梅さんは、ある夜ふしぎな夢をみました。それはススキが美しく咲き揃っている愛宕山へ自分が登っていくのです。ススキは月の光に輝いて、まるで銀の山に遊ぶような気持でいっぱいでした... 続きをみる

    nice! 2
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「牛塚」 昔ある農家に、よく働くひとつがいました。ある日、牡牛は働きすぎて疲労が重なったため、家の人々の手当の甲斐もなく、病気になって死んでしまいました。家の人々はたいそうがっかりして、せめて牝牛だけでも元気で働いて欲しいものだと思い、おいしい餌をやって毎日ご馳走をし... 続きをみる

    nice! 6
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「大蛇の恋」② さて、話は前にもどりますが、庄屋はずっと以前に母狐に死なれた子狐を助けて、育ててやったことがありました。その子狐が庄屋の困っていることを知り、恩返しに大蛇を退治しようと、庄屋の前に現れました。庄屋は喜びました。そして狐にたのんだのでした。 狐は早速、仲... 続きをみる

    nice! 5
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「大蛇の恋」① その昔、二階堂村から筒井村へ行く街道すじに、一軒の茶屋がありました。その茶屋の娘・コマノは、毎日通る美男子の飛脚に思いをよせるようになりました。 夕日も沈み、暗くなった頃、通りかかったその飛脚をコマノは呼びとめて、一夜をもてなそうとしました。コマノは、... 続きをみる

    nice! 6
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「ひじきり丸とひじきり門」 昔、尻掛宣長(しやかけのりなが)という刀鍛冶の名人が、尻掛(現在の天理市朝和地区市場の辺り)に住んでいました。毎日精を出していました。「尻掛則長の鍛えた刀はよく切れる」と、なかなかの評判でしたから、長岳寺のお坊さんも、「是非私にもよい刀を作... 続きをみる

    nice! 5
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「こんにゃく橋の幽霊」 昔、稲妻に孫兵衛という麹売りが居りました。ある夜、帰り道にとある石橋を通りかかりました。その日は淋しい闇夜で、その石橋は誰一人通る人もなく、薄気味悪い場所でした。孫兵衛は気味悪く思いながら橋を渡ろうとすると、何か川の中から浮かんで来るものがあり... 続きをみる

    nice! 3
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「さかさのゆうれい」 天理市東南部の龍王山上に、山城を築いた十市遠忠は、その山のふもとにある長岳寺を陣地として城を守っていました。 その頃、相手方の松永久秀という武将は、十市氏と戦うために長岳寺に攻め入りました。 寺では遠忠が迎えうち、久秀と組みうちになったのです。 ... 続きをみる

    nice! 4
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「腰痛治しの地蔵さん」 この地蔵さんは「、萱生と言う村のはずれに、今も大和盆地が良く見える、一番良い所に建っておられます。 「はやく腰痛が治りますようにと、腰から下の病気をお願いすると治してくださる。」誰れに言うともなく、ありがたいお地蔵さんの話が伝わりました。お花は... 続きをみる

    nice! 3
  • 薬師寺近くの うのん から 皐月のお知らせ

    今月のお薦めの本 国宝の拓本多く紹介されています。

    nice! 5
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「おめでとう」を言わない村 萱生の村では、正月になっても〆縄を飾りません。お目出度(おめでとう)うとも言わない のです。 この風習について次のような話があります。江戸時代、幕府体制のもとで、年貢米のとりたてがきつくて、農民はなかなか大変でした。 そのような農民の苦しい... 続きをみる

    nice! 4
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「夏目谷の天狗」2 ある月の晩、呉作が夏目谷の方へフラフラと歩いていきました。男はほろ酔い気分で明るい月に見とれていました。ふと見ると、目の前にきれいな女の人が立っているではありませんか。「だんなはん、わたしをよめはんにしとくなはれ」と女に言われ、男はすっかりうれしく... 続きをみる

    nice! 7
  • 薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

    「てんりのむかしばなし」から 「夏谷谷の天狗」1 昔、朝和村の竹ノ内の東、山深い夏目谷と呼ばれているところに、天狗が住んでいるといわれておりました。天狗は、池のそばの大きな松の木に登ってあたりの様子をうかがい、どこかでいたずらをしようかと考えていました。 或る雨上がりの日、村人がその谷のそばの畑へ... 続きをみる

    nice! 4