「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くから 大和の気象歳時記№85 雨乞の種々相

天津石門別神社
川原寺の東すぐのところ 竜在峠から流れ下った飛鳥川は直距離にしてホンの僅かなところにもかかわらず くず神社 九頭神 竜神 靇神と雨を祈る神々があってそれもほとんどが樹木であったり 岩や石の自然神です。さて 一目でそれと判る自然神が飛鳥から少し離れた 高取町 越智字大西にあります。

天津石門別神社です。県史神社編には「三代実録」の貞観十七年(875年)三月二十九日の条に「大和国正五位下天石戸別神従四位下を授け奉る」とあります。「延喜式」神名帳に「天津石別神社」として式内社に登録されていますが「大和志」に「在所未詳」とあって近世期まで在所不明の神社でしたが 明治八年(1875年)当社を天手力男命を祀る天津石門別神社と称すべき旨県より示達がありまし。(高市郡神社誌)沿革は不詳でしたが 寛政五年(1793年)奉納の石灯籠に「九頭龍社」と刻まれ 明治八年(1875年)までは「九頭龍社」「九頭龍明神」と称し水神です。
木立ちにおおわれた社地の鳥井を入って行くと祝詞舎(拝殿)はありますが その奥に神殿はなく高さ2㍍余の板石をほぼ6㍍四方にめぐらす王垣の中に 神の依代として榊の木が植えられていて そこを拝むようになっています。
古代の庶民信仰の名残です。

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