「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「てんりのむかしばなし」から
「夏谷谷の天狗」1

昔、朝和村の竹ノ内の東、山深い夏目谷と呼ばれているところに、天狗が住んでいるといわれておりました。天狗は、池のそばの大きな松の木に登ってあたりの様子をうかがい、どこかでいたずらをしようかと考えていました。
或る雨上がりの日、村人がその谷のそばの畑へ行ったところ、畑の真中にやわらかい黒土が盛り上がっていました。「おやっ」と掘りおこしてみたところ、中から首のないにわとりが出てきました。そのにわとりはまだあたたかく、うすきみ悪くなりましたが、今晩のごちそうにしようと待って帰り、とりなべにして食べました。
その夜中、寝静まった頃、表で大きな音がするので、何事かと出てみると、どうでしょう。にわとり小屋のにわとりが一羽もいないではありませんか。村人は天狗のしかえしと、がっかりしました。
又、こんな天狗のいたずらもありました。

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