「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

薬師寺から少しはなれて
「昔むかしの笑いばなし」から「春の空気」
昔むかぁし、ある小さな寺に、和尚さまと小僧っこが住んでいた。
春のある日、和尚さまは日なたぼっこしていたらあんまし気持ちがいいもので、
「いっそ、かめの中さ、この空気ば入れておいて、冬に吸ったらなんぼいいかさ」って、
でかいかめの中に空気」がいっぱい入れてふたをしておいたそうだ。
ところが何も知らねえ小僧っこ、秋のごみそうじのとき、かめをふいていて、うっかりふたをあけてしまったところが、"春の空気"と書かれた紙きれといっしょに、スーッていい空気が出てきたんだと。小僧っこ、「あっ、しまった。和尚さまのかくしていたもんあけてしまった」と思ったども、もう遅かった。
小僧っこはいろいろ考えたあげく、春の空気は全部出して、そのかわりかめに尻ばあてて、ブツって屁たれただ。そうしてふたば閉めてしらんふりしていたんだと。
やがて冬になって、和尚さまあ、かめのふたのふたばとってみた。したらなんと、プーンってそらぁ臭いにおいがするでねエか。和尚さまは思わず鼻をつまんで、

本のさし絵から

「春の空気ぁ、夏のうちにくさってしもうただぁ」って言ったんだと。

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