「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記 十津川郷の昔話

袴石

玉置神社 関西屈指のパワーポイント

 袴石 と思いめぐらしている石です。外部資料


ずいぶん昔の話じゃそうじゃ。ある年の十月、玉置仁神社では、どの神様を祭神に決めたらよかろうか、との話合いがもたれたと。
そこで、玉置神社では、十津川中の神々に、
「祭神を決めたいから、某日某の刻に送れないように集まれ」と、呼び出しをかけたと。


折立、中谷のお宮は、女の神様で たごころ姫 といわれていた。玉置神社からの知らせをうけた たごころ姫は、 ぜひ祭神に選ばれたいものだとひそかに思っていたと。
いよいよ祭神を撰ぶという日は来た。急いで身支度をすますと、玉置神社へと坂道を駆けだしていったと。
この日、たごころ姫は、祭神に選ばれたいとの思いが強く、なぜか落ち着かぬ心で支度をしたものだから、帯紐をきちんと結わえてなかったのだ。もう、夢中で坂道を登っていた。やがて、玉置山が見える峠にさしかかったころ、なんとしたことか、具合の悪いことに、袴のひもがほどけてきた。そうなるとなさけないことに、袴のすそが足にまつわりつき、とても歩きにくくなってきた。ますます気はあせる。直すには時間がとてもたりない。とうとう、たごころ姫は峠の道の端にあった大きな石の上に袴を脱ぎ捨て、玉置神社へかけていったと。



たごころ姫は、袴姿で歩いたことで、ずいぶん時間をとられ、玉置神社に着いた時には、時刻にすっかり遅れ、祭神もすでに決まっておったと。
玉置神社の祭神になりたい、という夢もはかなく消えた たごころ姫は、再び折立中谷のお宮に帰ったと。
たごころ姫が祭神になろうと、玉置神社への道を急ぎ、あわてて袴を脱ぎ、載せたという石を、その後、誰いうことなく「袴石」と呼ぶようになったということじゃよ。そして、この道を通る村人は袴石に榊などを供えるようになったと。
今でもその袴石は、峠の道の端にある。

■ 住所 631-8053 奈良県奈良市七条1丁目11-14
■ ℡  0742-43-8152

×

非ログインユーザーとして返信する