「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

薬師寺から少し離れて
「昔むかしの笑いばなし」から「上には上」
むかしむかしあったと。
あるところに、おっそろしくでかいワシがいたんだと。
でかいもでかいも、そらア、この大ワシがバホッてはばたきゃあ、はあ、十里もとんでいくっていうからな、だもんでワシぁ、世界でおらほどでけえもんはいねべって、それはそれはいばっていたと。
あるとき、ワシが海の上をとんでいたら、大きな木の枝が海の中から突き出しているんだと。一休みしようとその枝に止まってナ、それからまた、バホッ、バホッてとんで何百里もきたら、また同じような木の枝みつけたそうだ。だもんでワシは、またその枝にとまって休んでおったとさ。
ところが急に枝がグラグラ揺れて、「誰だア、さっきは左のひげさ止まっていたと思ったら今度は右のひげさ止まって、うるせえ奴だア」って、下の方からでかい声が聞こえたと。ワシはびっくらこいでよーく見たら、はあ、でっけぇエビのひげであったとさ。「なんてあんたはでかいんだア おらの負けだ」ワシはそう言って、どっかさんとんで行ったそうだ。「すると、おらは世界一か」って、今度はエビがいばり出した。

本のさし絵から
ある日、エビはでけえ穴を見つけてそこでねむったと、次の日も、ぴょんぴょん何百里もいったら、また同じようなでけえ穴だ。
「こりゃ、いい塩梅だ」って、また同じ穴に入ろうとしたところが、
「誰だア、夕べは右の鼻の穴、今日は左の鼻の穴だ。出て来いっ」ってどなる声がした。エビがたまげて出てみると、なんとそりゃあでかいヒラメの鼻でねエか。
「世の中にゃあ、でけえもんがいるもんだ」って、エビはたまげてもどっていったとさ。

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