「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くから 大和の気象歳時記 

大和の自然
女学生が足止めの大台ヶ原の大雨の
 昭和21年7月27日田原本高等女学校の生徒50名余が大台ヶ原に登った。台風は、四国のはるか南方洋上を西に進んでいた。本土を襲うようには思えないが 大台ヶ原山では すでに雨が降り出してきた。28日台風はキ谷転じ 背振の本能を表わす九州南東海上にせまった。28日、394㍉を観測したが 八木(橿原市)や大阪ではまだ降っていない。雨はますます強くなり、29日には日量960㍉に達した。大台が原山の日量で第2位に当た豪雨である。一歩も戸外に出ることは出来なかった。女学生は山頂の宿坊で完全に足止めをされてしまった。
大台ヶ原山はうねりをたてて荷造りの綱引のような雨が降りつづいている。時しも終戦後で 食料事情のもっともわるい時であった。大和の米どころ田原本女学校の登山隊も、もともと不足の携行食糧が予定外の滞在で遂に食糧不足に陥ってしまった。可哀想に女学生少ない食糧であったので 山頂観測所の備蓄米も提供した。

外部資料

食盛りの少女達がみたされないお腹をかかえて物凄い雨足をながめながら窓辺で合唱してこの難を過した。

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