「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「子供のための大和伝説」から
「源九朗狐」

大和郡山市洞泉寺に源九朗(げんくろう)稲荷社(いなりしゃ)という神社があり、源九朗狐はこの神さまの使い者だとされています。
源九朗というと、源九朗義経のことですが、義経千本桜というお芝居に出てくる狐忠信は、この稲荷の化身であったが、義経が奥羽へ下るとき、源九郎の名を贈って別れたのだといい伝えていまさう。
この源九朗狐は、郡山のお殿様のお使い者であったといいます。徳川・豊臣の合戦のとき、スパイといて活動し、徳川方に有利な情報をしらせていましたが、ついに豊臣方のために毒殺されました。のち、郡山のお殿様はこれをふびんに思い、状かの洞泉寺境内にまつって今に伝えたのだといいます。


郡山市三丁目の寺戸屋という果物店は、むかし、綿紡糸屋でありました。
ある日、ひとりの男が綿帽子を買いにきて
「代金は月末に、同市洞泉寺の源九朗稲荷社で支払います。
といって、たち去りました。
月末になって代金を取りに行きますと、神社の人は知らぬといいます。かれこれ押し問答をしていますと、お狐さんが眷属(けんぞく)を連れて、ズラリと現れ出ました。見ればそのお狐さんたちが全部、綿帽子をかむっていたということです。
童謡に「大和の大和の源九朗さん、遊びましょう」
というのがあり、子供さんたちにも親しまれ、毎年三月二十七日のお祭りの時には、子供さんたちが白装束に白狐の面をつけて、ダンジリをひいたり、水色のハッピを着て「白狐踊り」を舞ったりしてにぎやかでしたが、これは今はなくなっているようです。

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