「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

薬師寺から少し離れて
「昔むかしの笑いばなし」から「還暦の祝い」です


むかしむかし、ある日に、大そうな長者が住んでおった。立派な屋敷に住み、多勢人を使うておったが、それはそれは欲張りで意地が悪いもんで、村人たちからも恨まれておったそうな。
あるときのこと、長者が還暦を迎え、その祝いをすることになった。けれども、欲の皮の張った長者のことじゃ、何とかして金がかからんようにと思ってな、さっそく番頭を呼んで申しつけたと。
「金がかからず、派手で、人のよろこぶ祝いを考えてくれ」
番頭はあきれ返ってしもうたが、しばらく考えた後、こう言った。
「それならこういうのはいかがでしょう。長者さまが首をおつりになるのです。人が騒ぐので派手になりますし、村の者は大よろこび、その上金もかかりませぬ。

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