「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

薬師寺から少し離れて
今日も昔ばなしからです。
「昔むかし笑いばなし」から「屁ったれ鶏コ」
むかしむかし、じいさまとばあさまの家さ、一羽の鶏がおったと、
ある日のことだ。鶏が庭の木にとまって鳴いていると、その下をキツネが一匹通ったんだと。キツネは鶏を見ると、何とか取って食いたい思ってナ。言うただと。
「とり、とり、いい声だナ、だども、そこからもっと下って鳴けば、もっと良く聞こえるぞ」
キツネがいうもんで、鶏はその下の枝に下がって鳴いた。と、キツネのやつ、また、
「とり、とり、前よりぐっといい声だナほんでももう一つ下がらねエと、よくきこえねエ」
そんなもんで、鶏はよろこんでもう一つ下の枝にとまって鳴いたと。
ところが鶏ア、もうキツネの頭のすぐ上だったもんで、キツネはさっとすぐ上だったもんで、キツネはさっと鶏にとびかかって、食ってしまおうとしたんだと。
鶏はびっくりたまげてナ、
「キツネ、キツネ、お前はおらを、食う気だどもナ、実は今晩、おらの家でもおらを食うといってたから、おら、針千本のんじまっただ。だからお前、おらを食うんだら、尻の穴から中さよーくのぞいて針のないところ食え」って言うたんだと。
キツネはたまげて鶏を放し、さっそく尻の穴さのぞいてみた。
したら鶏ア、このときだとばかり、ぶっ!って屁たれたと。キツネはますますたまげて後ろへにげたら、その間に鶏ア、木の上さ飛び上がって助かったんだ。

本のさし絵から

×

非ログインユーザーとして返信する