「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

薬師寺から少し離れて
「奈良昔ばなし」からお話を読んで頂きありがとうございます。
次は これも お子様も大人の方にも親しんで頂ける本です。
私の 「本のある喫茶店 うのん」で所蔵し 楽しく☕ながらお読み頂いている中の一冊です。外に出ること難しい今 本に親しんで楽しんでいただきたく思います。
(株)ナンバー出版の「昔むかしの笑いばなし」からです

本の表紙です

本のさし絵から
「江戸見物」
 あるときのこと。
 田舎の庄屋さんが江戸にでかけたと。
なにしろお江戸は初めての町、その上聞くところによれば、江戸は大そうぶっそうな所で道を歩くにも少しの油断もできぬという。

本のさし絵から

そこで庄屋さん、供(とも)の男に風呂敷包みをしっかり持たせて出かけたそうな。
さて、江戸の町。
「これ、旦那様」
「ほほう、どっちを向いても別ぴんな女ごばかりじゃのう、吾平、包みは大丈夫か」
「ハイ、これ、この通り」
「よしよし、なるほど聞いた通り、お江戸は、繁昌な町じゃ。ところで吾平、包みはモットル名、どうも気にかかってならんわい」
「もって居りますよ」
「よしよし、こんなに人間の多い所では気をつけにゃならんわい。それにしても気にかかるのう、これ、吾平、包みはまだあるじゃろうのう」
「そ、それが、旦那様、申し訳ございませぬ、今の今、盗られましてございなする。」
「なに、盗られたとナ、そうかそうか、いや、どうやらこれで、ようよう気が落ちついたわい」

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