「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くのうのんから 大和の気象歳時記

大和の自然
水害 台風
今から60年以上古い話であるが 奈良県の台風における水害
 昭和27年(1952年)以来毎年の様に水害が起こっていて 特に昭和27年6月 7月の連続豪雨と昭和38年9月25日の台風13号による大水がはなはだしかった。前者は6月23日のダイナ台風による豪雨7月1日から3日までの梅雨前線活動による豪雨 10日夜から 11日朝にかけての前線北上時の局所豪雨の前後3回にわたるものであった。第1次の北部で150㎜内外の雨量であったが、吉野以外の各河川の量水標はすべて警戒水位を突破した

現在の𠮷野川   外部資料
河川は全く危険状態にひんし 決壊は破損255件 橋梁流失40件 冠水田707町 浸水田601町 流失田21町 土砂流入362町と当時で2億円以上の被害額に達した。第2次のは130㎜程度ではあったが 第1次復興未完の間に起こったもので被害はさらに膨らんだ。台3次のは局地的な強雨であり、特に7月11日午前4時から5時までの1時間に32.3㎜も降ったので 被害は特に甚だしかった。しかも奥吉野地区よりも大和平野の雨量が大きかったことは特筆に価する。昭和28年の台風13号による豪雨では佐保川が氾濫した。万葉の昔から騒ぎを知らぬ川だけに奈良市民は度肝を抜いた。
これらの幾多の氾濫には上流域の乱伐があげられている。しかし反面 河川沿岸住民の川原での耕作 清掃の不徹底 農業灌漑用井堰の固定性なども原因にあげられた。
戦後の河川の大水の様相は天災というより人災と称される所が多く 水害対策にいかに対処すべきかを考えるものが多くあった。
災害は人に常に人の意表をつくものであり 人類文化の発展とともに増加するものである。

𠮷野川 外部資料

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