「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くのうのんから 大和の気象歳事記

大和の自然
吉野の高山の特色

居岩あらわな断崖絶壁
 倭の南吉野山地は東西軸に褶曲した紀伊山脈の一部であるが 現在の山かたちは南から浸食している十津川北山川の横谷と北方吉野川の支流とのため切られて、東から台高山脈 大峯山脈 伯母子山地に三分され それぞれ特色をもつ山かたちを示している。一般に壮年期の地形をなし高峯深谷が起伏し、美しい大自然は吉野熊野国立公園の一部となり 学術研究者にも登山愛好家にも色々と魅力のある山々である。
この山地の山々は高いといっても海抜2,000㍍未満で 本県のみならず近畿の最高峰である大峯山山脈の八剣山(仏経ヶ岳)も1,915㍍である。これを日本アルプスの3,000㍍前後の高峯に比較すると約1,000㍍も低い。しかし吉野山地に独特の山地形や山岳景観を持っている点で 注意すべきである。
その第一は多雨地帯で非常にはげしい水食が営まれてきたことである。アルプスのごとき水食の地形は見られないが 水蝕により大峯山脈や大台ヶ原のところどころに見られるように堅岩が巨岩をなして露出し断崖絶壁が出来ている。山上ヶ岳はかかる地形を古くから修験道の霊場とし、表行場の鐘掛岩や西ノ覗岩 裏行場の蟻戸渡や平等岩などがある。ま大台ヶ原山には(大蛇高グラ)などの岩壁が並び立ち壮観である。大台ヶ原山頂はその名のごとく高原状をなし 堅岩が四方からの浸食をささえている壮年期の地形が準平原地形上注意されている。
一方谷はV字計をなし 両岸は急斜面で迫っていて 河水の浸食はげしく いたる所急たん 深淵 滝をなしている。河はうねうねと曲流をなし山峡を曲りくねって下刻しつつある。大台ヶ原の端に東川(北山川支流)の浸食がくい入るところ 東中の三滝がかかり壮麗であり 大峯山の両側の谷にも いたる所滝がかかっている。北山川には我が国屈指の峡谷美をなし その成因7を示す滝の後退により生じた深淵がよどみ 幽すい環をなしている。

外部資料

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