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#法華寺のひな会式 4月1日から一週間

外部資料

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法華寺は法華滅罪之寺と称し、奈良時代に藤原不比等の居宅をその女(むすめ)である光明皇后が喜捨し建立した大寺である。古くは東大寺が総国分寺であるに対して、これは諸国の総国分尼寺であった。本尊十一面観音菩薩立像は問答師(もんどうし)が光明皇后のお姿をうつしたという稀代(きたい)の名作である。
この寺に天平の昔から行われたという「ひな会式」が伝えられ、現在では、4月1日から一週間本堂で厳修されているが、門跡寺院の尼寺にふさわしい行事となっている。いわゆる雛まつりとは様子がかわり、実は、五十五体の善財童子像を本尊の前にならべてまつる行事である。ひな会式 の称は善財童子像をならべてまつるかrとも、あるいは美しい女官たちが詣うでたからともいわれている。
この会式の原初のすがたは明らかではないが、鎌倉時代の中ごろ。文永十年(1273)書写された「三宝絵詞」に法華寺の「ひひなの会」について記載がある。
「法華寺は光明皇后のたて絵へる寺なり。此寺に華厳経を講ぜしめて会を行はせ給ふを華厳絵(けごんえ)となづく。法用式衆にみな尼をもちいる。華厳経の中にとろける所の善財童子の所々にして五十余人の善知識にあひつつ、諸のたえなる法をききしかたちをつくれり。たけ七、八寸ばかりなあり。会の日ごとに綿綾をぬひきせてふ台の上におきて供養せしめ給ふ。本願の時より世人いひつたへてひひなの会といへり」
これによれば、この寺で華厳経を講じて会式をする華厳経に、善財童子の数々の修行の姿をうつした小像をならべてまつったことが読みとれる。会式の日ごとに色とりどりの綾 錦の衣装を召しかえて とばりをめぐらした帳台の上に安置したさまもうかがわれる。
善財童子は華厳経にある熱烈な求道者である。福城長者の子で生まれるときから種々の財宝が自然に湧出したのでその名がある。
古い「ひひなの会」にまつられた善財童子像は永い歳月の間に朽ちはてて、近年までその日、本尊の周囲を壮厳するのみでひな会式の伝称を守ってきた。そこで昭和34年、光明皇后千二百年忌にあたり、参賛会からその古儀復興のことが盛り上がり、全国の篤志で五十五体の善同童子像の寄進を得て、伝統のひな会式を再現する運びとなった。

■住所 630-8053奈良県奈良市七条1丁目11-14
■℡  0742-43-8152

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