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手向山神社のお田植え祭り 節分の日

外部資料

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手向山神社では節分の日の午前11時から拝殿でお田植祭が行われる。能楽の形式で行われ 古式な行事で、民俗の上では貴重な祭典といわれている。
当日は本祭りに使用される御幣をつけたっ笹竹を先頭に巫女 牛に扮した牛子童 田主 神官 白丁をつけた地謡の人々の順で、「西の山に青い雲のさし出たはあの地かや、この地かや」「いかに殿原」などといいながら境内を一周した後、拝殿に上がり、田主が御幣をあぜに立て、水口祭りをすませた後、田主が神前に向かって「今日は幾日の足る日の吉日なれば、クワ初めをせばやと存じ候」とうたうと地方は「めでとう候」とまずクワで苗代の土を耕す。その後、牛に扮し水干をつけた牛童が出てスキを引き回す。田主は「おんじょがしょうしょうのべべおり、おんじょがしょうしょうのべべおり」とうたいながら牛をおう。この間地方は「せざいが子にもたろけり」とうたう。二回拝殿をまわって牛つかいは終わる。次にえぶりを三回使った後、肥えをおく作業にうつり、それがすむと種まきとなる。田主が「稲の種をまこうよ」と和し、田主、物に入れた糯米と鏡餅を四角に小さく切ったもの(俗にキリコという)を拝殿にまく。田主は「東田へまこうよ 西田へまこうよ 南田へまこうよ 北田へまこうよ 川上田へまこうよ 日本国まこうよ」とうたうと、地方は「福の種まこうよ」とうたう。これが終わると田主が手すきを肩にして苗代を見てまわる。苗が大きくなっているのを見て田主「見回りて候へばつばめになって候」とうたいながら拝殿を一周し、さらに扇をもった手を腰にあて、神殿を拝し「見回り候へば竹になって候」とうたう。
田主はさらに「見回って候、早乙女を招じ申し候」とうたえば、地方は「めでとう候」とうたう。田主は「東の国より八百人 西の国より八百人、南の国より八百人、北の国より八百人 あわせて三千二百人の早乙女を招じ申し候」地方「めでおう候」とうたう。その間、巫女は神前に松苗を捧げる。地方「おびくつろぐうなじなまめく」田主「大行じ(サイマワシ)をふたつならべて」地方「いずれとによう」田主「香りをよしとにおう」とうたってお田植えの儀は終わる。
その後、神前に供えた松苗は参拝者や氏子の農家に分配される。
このお田植祭がほかのお田植と異なっているのは能楽の形式をとっていることと、田主が翁の面を着していることで、寛永十九年(1643)の火災で書類など消失したが、その後同社に伝わる『お田植式次第』(江戸時代の後期)に同様の用具などが使用されたことが明記されている。
この神社は中殿に応神天皇、佐殿に仲哀天皇 神功皇后をまつる。なおこの神社には正長元年(1428)修理の銘のある鳳輦や、舞楽面 黒馬の絵馬などが保存されている。
その他、おんだ祭は県下の各地でおこなわれている。

■住所 630-8053奈良県奈良市七条1丁目11-⒕
■℡ 0742-43-8152

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