「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

心念寺の「雨乞地蔵さま」①

外部資料

心念寺のお地蔵さまは 昔から「雨乞い地蔵さん」「虫切り地蔵さん」として人々の信仰を集めておりました。
今から100年以上も前、明治42年~43年頃に実際にあったお話をしましょう。
その年は6月の梅雨にも雨は少なく7月に入ると殆ど雨らしい雨も降らずかんかん照りの日が幾日も幾日も続きました。
今と違って その頃は豊かに水が流れていた初瀬川も水が少なくなって、川のあちらこちに中州が出来ていました。
田圃や畑も、からからに乾いて あちこちにひびがわれが出来土も白くなり 野菜はもちろん せっかく伸びかけた青田の稲の苗も黄色く枯れそうになっていました。
今のように吉野川の分水が引かれたのは昭和も半ばになっての事で、その頃田圃の水はもっぱら川の水を ところどころの村に在る溜池と 野井戸の水にたるありさまでした。
川の近くや、溜池の近くの村は、まだ何とか少しづつの水でも補っていましたが、そうした水源から離れた村では大変でした。
このまま置いて稲が枯れてしまったら、秋にはお米がとれません。その頃の農家は秋に収穫したお米を売って一年の生活に必要なものを買っていたのですから、このままでは、食べていくことさえ出来なく農家が続出するのです。

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