「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

大和の自然
大和は天気予報発祥の地 2


「大和辺に西吹きあげて雲はなれ退き居りとも吾忘れめや」
これは仁徳天皇のちょう愛をうえけた黒姫の方の歌で、黒姫は皇后のシットにたまりかねて郷里へ逃げ帰ったが、たまたま天皇の訪問を得て、天皇還御の際に奉ったものである。大和では西風吹くと雲は山から離れてしまう。黒姫はこの雲のように陛下から離れているが、決して陛下を忘れることはできないという意味がこの歌の中に含まれているのである。

外部資料


その当時でさえ、西風が吹けば、天気がよくなるということが一般的の常識であったのである。もし黒姫だけが知っている天気予報則であったならば、天皇に意味が通じるはずがない。ここにも、大和辺に西風吹き上げて、大和国の地形気象が出ている。
大和がわが国文化発祥の地であるから、以上のような観天望気の術が大和を中心として発展したのは、なんらふしぎはないが、大和国に住んでいるわれわれとしては、いい知れぬ誇りを感ずる。日本における天気予報の元祖は恐らく大和国だと断定してよいでだろう。温和な気候の地で、歴史的にも積極的に動いていた大和人、これが天気予報をうち立てた最初の文化人であったのだろう。

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