「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

薬師寺から少し離れて
「昔むかしの笑いばなし」から「馬糞三つ」です。
むかしあったと
金いっぱいもったじいさまがあったと。
じいさまには三人の息子がいたもんで、自分の死んだあと、誰か、しっかりした者に後をゆずりたいと思っていたと。
ある日、じいさまは、息子三人呼んで言うたと。
「お前たちゃあ、この世ん中で何が一番欲しいか」すつと、兄は
「馬の糞三つもあればいい」って言うんだと。
じいさまは顔しかめたども、次に次男に聞いたと。したら次男は
「日本国中皿ねかして、そん上さ大判小判いっぱい欲しいだべ」って言うんだと。
じいさまは、「感心、感心」とよろこんで、今度は三男に聞いてみた。三男は
「海から水引いて、日本国中を田んぼにしたいもんだ。」ってこたえたんだと。
じいさまは、「これも感心だ」とほめながら、長男に向かってこう言ったと。
「お前エさっき何てぬかした。馬の糞三つ欲しいとは何ごとだ」すると 兄は
「日本国中皿ねかしおて金一杯っていうたども、誰がその金使うんだ。日本国中広い田にするっといっても、一体誰がその田んぼ耕すんだ。そんなばかげたこと言うたそうだ。

それを聞いたじいさま
「なるほど、やっぱ、兄は兄だけのことはある」って、大そう感心したんだとさ。

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