「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和の気象歳時記

三条通り
尼ヶ辻町地蔵石仏

外部資料
旧奈良街道と郡山道との交差する辻道の西南角に古風な地蔵堂があって その中に安置されている地蔵で鎌倉中期文永2年(1265年)の作 安山岩製 高さ210㌢自然石の台石に頭光と身光背を負って蓮華座上に立って像高170㌢の地蔵を半肉彫りにしたもので地蔵は右手を垂らして与願印左手は胸前にて宝珠を捧持する古式の印相である。黒石硬質石材で彫られているが引き締まった目鼻立ちの顔の表情と体部の肉付け衣丈の彫り口は端麗に表現され 石の硬さを感じさせず人肌の暖かみを感じさせるっ作品である。すらっとした体型と衣丈のひだをU字型に繰り返し膝下まで縄状に彫む技巧が人目を引く。技巧的にも巧みな石仏とし注目すべきものである。春日山滝坂朝日観音(弥勒仏)麿崖仏(文永2年作)に通じる作風である。胸の辺りで折損したのを修復しているが保存も良い石仏である。「縁切地蔵」の俗称で呼ばれ昔この辺りにあった尼寺の入門する女人が この地蔵の前で俗界との縁を切ったともいい 花嫁はこの地蔵を避けて通ったという。光背面左右の刻銘がある
為悲母得脱造立 文永二年八月日 以  者七廿恩所六道衆生普利

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