「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの「うのん」から大和気象歳時記 叩かぬ太鼓・鳴る太鼓


叩かぬ太鼓・鳴る太鼓 吉野のお話

外部資料

丹生川沿うた宗川野の、殿の平っていうところは、殿さんがいたんで、こういう名があるんやと。
そこの殿さん、まっことわがままでな、いっつも、百姓どもにいろいろ難題を仰せつけてな、みんなの衆をこまれせたんやと。
あるときな、百姓衆あつめて、
「タタかんのに、”鳴る太鼓”作ってこい」
っていわはってん。
百姓衆は、えろう困ってんが、ひとり知恵もんがいらってな、トックリ(どんぐり)蜂を太鼓の中へ入れて、殿さんとこへさしださはってんと。
喜ばはった殿さんは、
「鳴ってみいー」
っていわはったた、蜂が太鼓の中で、わんわんさわいだんでな、太鼓をたたかんでも、
「わーんわーん」
ってな、鳴ったんやが、感心しやはった殿さんは、太鼓の中を、裂いてみやったら、中から出てきよったドングリ蜂が、
「わーん」
といってな、殿さんの顔へ、
「チクチクチク」
と、刺しよったんや。
そいで、殿さんはえろう怒ってな、こんどは、百姓衆に、
「人間を立ったなり、皮を剥いでこい」
っていいつけはってんと。
そいで、百姓衆は、こねんえげつない殿さん。生かしておいたら、どねんなめーにあうかわからんいうてな、みんなよって打ち殺してしみゃってんと。
けどなー、そのたたりを恐れて祭たったのが “薬師さん”ということや。

■住所630-8053奈良県奈良市七条1丁目11-14
■0742-43-8152

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