「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの「うのん」から大和気象歳時記 東大寺鐘楼のお話

鐘にフシの木  宇陀郡
むかし、奈良の大仏たんつくらはったころの話やね。大仏たんに時を知らせるどえらいつり鐘を鋳こまらはってな、つりがね堂に吊ろうとしやんねど、何べん吊らっても、鐘のめかたが重たいもんやさかい、堂の梁が折れよんねん。そいで、困らってな、どねんしたらええやろいううてやったんや。
そのころな、大仏たんの信者はんが、ある寒い夜さり、大和と伊賀の国ざかいを通ってやったらな、山の上で、余り見かけん伊賀からきたらしい親子連れが、ひそひそと、娘はんに、
「カネにゃフシが一番、よいぜ」
ちゅうて話あってるの聞かったんや。信者はんは、「ポン」と膝を打ちやって、
「これや、これや」
ちゅうて、すぐさま、東大寺のお坊さんにいうてんいかってんがぁ。そんのフシ(五倍子)の大木がなかなかのうて、ほうぼうさがさったところ、ようやく、大和から伊賀へ抜ける国ざかいに、どえろう茂ったる青葉山から見付け出さってんと。そいで、青葉山のふもとに大池ちゅうどえらい池をつくらはって、そこへ浮かせ、せきを一時に切って、水もろともにフシの大木を五月川に流さってな。ようやく奈良の都へはこばあーてんと。
そいでな、今でも青葉山に浮池がのこったあーるし。積出しの指揮とらった坊さんがつめてやった毛原にごっつい建物の礎石がのこったるということや。

外部資料

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■住所 630-8053奈良県奈良市七条1丁目11-14
■℡  0742-43-8152

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