「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの「うのん」から大和気象歳時記 大歳の客

大歳の客 宇陀郡のお話
むかし、ある村でいちばん貧乏な家があってな、正直ものの夫婦は大晦日になって節季払いもできへんー、正月の回札もできそうにないよって、ユルリを囲んで思案とタメ息ばかりついて、ただ、薪をもやして夜明けを待っちゃるところへ、な、旅の坊さんがっひょうこりあらわれやってん。
「一晩だけでよいから、とまらせて頂きたい」
というて手を合わせやったんや。
そいで、夫婦としては、貧しい我が家のこといってことわらはってんやけど、
「どうしても どうしても」と、おっしゃるんで、しょうことなしに泊まってもらうことになったもや。
旅の坊さんは、寒そうに鼻水すすってふるえながら、ユルリあたたまってやるうちに 熱が出て来てばったりたおれはったんや。
夫婦は そのあたりにあるものを 羽織らせて 囲炉裏の傍で寝かせ 身体を温めはってんとー。だんだん坊さんの体は元気になって温かくなってくると
囲炉裏からの煙の中から小判にかわって 除夜の鐘がなるまでに、節季の払いもすませ めでたい正月を迎えやってんと。 
坊さんはいつの間にか いてはらへんようになってたんにやて

外部資料

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■℡  0742-43-8152

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