薬師寺近くの「うのん」から大和気象歳時記 くつぬぎの天女
くつぬぎの天女 宇陀郡のお話
外部資料
むかし、竹渓之庄の目代だった藤原時兼という若いお公卿さんが、、あるとき
向渕(むこうじ)の竜王ヶ渕のほとりをふとりで歩いてやると、天から下りてきやはった二人の美しい天女さんが、雪のような白いゆたかな肌を出して、水浴びをしやはるのを見やってんと。
外部資料
外部資料
そいで時兼は、松の枝に掛けたった二人の羽衣をそっと取りやって、天女の前へあらわれやってんがー。びっくりしやったふたりの天女は、
「わたしたちは人界のものでありまへん。この渕は水清く人間のけがれを知らない善女竜王の泉ですので、ときどき、こうやって、天上から交代で水浴びにまいりますが、もう人間にみられたからには、ひとときもゆっくりしてられまへん」
いうて、すばやく羽衣をつけやってんけど、舞い下りる時にはいてきやった履(くつ)だけは脱ぎすてたまんま、大空へ飛びあがらってんと。
■住所 630-8053奈良県奈良市七条1丁目11-14
■℡ 0742-43-8152