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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記 興福寺のお話

興福寺 十三鐘の石子詰

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奈良公園、東大寺、興福寺・・・。どこをあるいても目につくのは、きれいな毛並みとつぶらな瞳は、春日大社の神の使いとされています。昔、鹿は非常に大切にされ、鹿に危害を加えたものはきびしく罰せられました。「鹿を殺せば石子詰」といって、死んだ鹿と一緒に生き埋めにされる刑まであったのです。
これは、そのころのお話です。
興福寺の中、三条通りの石垣より南側に、俗に十三鐘といわれる菩提院大御堂があります。むかしこのお堂の横に寺小屋があって、お寺のお和尚さまがニ、三十人の子供たちに読み書き算数を教えていました。その子供たちのひとりに、三作がいました。
ある日、三作が習字をしていると、一頭の鹿がやってきて、廊下に置いてあった草子をくわえて行こうとしました。三作は「こらツ」と叫び、けさん(文鎮のようなもの)を投げつけました。すると打ちどころが悪かったのか、鹿はその場に倒れ死んでしまいました。


さあ、三作は鹿を殺してしまったのです。幼い子供といえど、罰をのがれることはできません。三作も石子詰の刑に処せられることに決まりました。
大御堂の前の東側の庭に大きな穴が掘られました。そこに死んだ鹿と三作が入れられ、上から小石が投げ込まれていきまさいた。三作の母親は、気もくるわんばかりに嘆き悲しみましたが、どうすることもできません。
その後、三作の母はそこに供養のもみじの木を植えました。鹿とモミジという取り合わせは、そこから生まれたと言われていまさう。
また、夕方の六つと七つの間に石子詰になったので、ここを十三鐘と呼ぶそうです。

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