「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記 浄瑠璃寺のお話

浄瑠璃寺 阿弥陀仏がいざなう浄土の世界 京都府相楽郡

外部資料

誰だったのでしょうか。「日本人は悲しい時に寺へ行き、何かを決着する時に時に神社へ行く」といったのは、日本における宗教の雑居性と信仰心の薄さを、この言葉はみごとに言いあてているようです。キリスト教徒でもない男女が、ムードに惹かれて教会の神の前で結婚式をあげ、仏壇の展示場に集まる人々は、自分の先祖をまつることしか考えない。こんな世の中だから、古い寺々を訪ねる私たちは、堂塔伽藍や仏像、その外形にのみ心を奪われがち。けれでも大切なのはその奥にある心、つまり、「これらは何故つくられているのか」といゆことです。
浄瑠璃寺(九体寺)は、治承二年(1047)、現在は三重塔のうちにある薬師如来を本尊として出発しています。1107年には、新しい本堂として九体阿弥陀堂が建立されました。

1150年には、僧惠信により、現在の寺観の基礎ができあがっています。そして藤原から鎌倉時代にかけ、堂塔・仏像などが次々とつくられていきました。この寺の第一の特色は、現存する唯一のもである九体阿弥陀仏と、それをまつる九体阿弥陀堂にあるようです。
古いお寺を巡礼すると、その中心となるお堂は原則として南面しています。しかしこの九体阿弥陀堂は東に面し、前には池があります。つまり私たちは、ある時は池の静かな面をはさみ、西の方角へ向かって仏さまを拝むことになるのです。
西方浄土という言葉があります。仏像の教え東西は需要な意味をもちます。東はものごとの出発点を示し、西は求めて行く未来の方向を表のです。出発点(東)にある私たちが、目ざすべき理想の浄土(西)を見つめ、そこには私たちを出迎えてくれる九体の阿弥陀仏がおられる。
どう生きるべきか。自分にとっての浄土、自分にとって理想の世界とは何か。オレンジの空、流れる白い雲・・・。夕映えの西空を背にするお堂を前に、一人ひとりが考えてみたいものです。

外部資料


■住所 630-8053 奈良県奈良市七条1丁目11-14
■℡  0742-43--8152

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