「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

かきもち

外部資料

「おかき」とよばれるかきもちは、漢字で欠餅または掻餅と書く。字のとおり、お正月の鏡餅を処理するのに刃物で切ることを嫌って手で欠き割ったことから、このように呼ばれたといわれる。つまり鏡開きの餅のことで、後にかきもちとして別につくようになったという。
「雍州府志」(ようしゅうふし)という古い書物の中に「玄冬に餅を製し、薄く切り、更に三寸(約10㎝)ばかりの長さに切り揃え、陰干しにして遠火で焙り、貯えおきて賓客にもてなす。」と記されているが、その製法、食べ方は百三十年前も今も同じである。
「おかき」は「寒」の水でつくとカビが生えないといってつくり、こうじぶた「麹をつくる木箱」につきたての餅を流して固め、一週間ほどで割りやすくなる。これをかき包丁で三ミリほどの厚さに削り、さらに八センチくらいに切りそろえて、二枚ずつワラまたはへぎひもで編んで陰干しにする。削りにくくなった端は小さくあられに切って干し、三月の「おひなさま」用に残しておくのである。
子供の重宝なおやつであり、また焼き立てを熱い茶粥やお茶粥やお茶漬けに入れる。ジュウと音がして軟らかくなったのを食べると、もう一杯食べたくなるのである。



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