「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

奈良町 自然の山

春日山
奈良町の東に鬱蒼と巨木が繁っている山で、高さは497㍍で余り高くない山である。一見して一つの山のように見えるが、神野峯・高山峯・上水谷峯からなっており、大昔から水谷神社・神野神社・鳴雷社や高山社といった水の神をまつる神社がある。この山を水源として能登川・率川・吉城川・佐保川があり、奈良の町を育てる尊い山で、元明天皇が、平城に都された際、藤原不比等は東国の常陸の鹿島から武甕槌命を迎え、氏神として祭ったのもこの山の麓である。
春日山はこうした古代からの水神のすむ山として仰がれたばかりであなく、多くの人の生活に潤いとやすらぎをあたえた山である。万葉集を開いてみると、


寒(ふゆ)すきて暖(はる)来るらし 朝日さす
滓鹿(春日山)に霧たなびく


春日山 おしててらせるこの月は
妹が庭にも 清けかりけり


と春日山について15首がうたわれている。その後、仁明天皇の承和8年(841)にこの山の狩猟・伐採を禁じられたのもこの春日山を神山と考えられ、その保存に留意することになったからであろう。奈良の人々は不吉なことが起この春日山の樹木には手をふれなかったのである。したがってこの山は動植物が繁殖し、現在特別天然記念物に指定されている。
春日山には亜熱帯・温帯系の多種多様の植物1000種に近い樹木が繁り、シダ類 植物 動物は鹿 蝶 ルーミスシジミ蝶は天然記念物に指定されている。


春日山は奈良の人々のみならず我が国の非常に貴重な存在の山である。

本のある喫茶店 うのん
■630-8053 
■奈良県奈良市七条1丁目11-14
■Tel:0742-43-8152
■定休日 
 月曜日 火曜日 第三日曜日
■営業時間
9:00~17:00
■✉:honcafeunon.nara.nisinokyo@gmail.com
https://sites.boogle.com/view/yakuysijiunion.

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