「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺 修二会花会式

鬼のごちそう


修二会とは奈良の大きなお寺が五穀豊穣をなどをお祈りして行なわれる行事である。薬師寺では3月25日から31日にかけ行なわれる。最終日の31日には「鬼追い式」がありそれで結願となる。
その鬼にごちそうがふるまわれる
薬師寺は飛鳥浄御原宮に建立されたが。都が奈良平城京に移った時、現在の地に移築された。花会式は 堀川天皇が皇后の病気平癒を願い薬師如来のい祈願され、その全快を感謝して十種類の造花をつくり献花されたのが始りでそれを絶える続いている。
十種類の造花は 梅 桃 山吹 杜 桜 椿 菊 百合 牡丹 藤 を薬草で色つけをして本尊の薬師如来に供え祈願される行事である。
この結願の最終日に境内の灯が消され 鐘や太古法螺貝などの音とともに 松明を振りまわし鬼が金堂の周りを大声で叫びながら暴れ回り 最後に毘沙門天が鉾を持って現れ 鬼どもを退散させる。
この「鬼追い式」に入る前に、鬼にごちそうを出して酒を勧める儀式がおこなわれる。この鬼のごちそうは 秘伝とされ信者によって受け継がれている。調理する方々は 白装束で作られる。
 酢の物は、ほうれん草をそろえてゆで、鬼の形に切って、酢蓮根と一緒に器に盛ったもの。
煮しめは、高野豆腐、椎茸、人参、蓮根、湯葉を含め煮にして青身のキヌサヤを添えて、根来塗りの平椀に盛り、ほうれん草の白和え、煮豆などを根来塗りの折敷くに並べる。
別に高野豆腐をもどして、小型の拍子木に切っ油で炒め、酢と塩で人間の肉の味付け、リボン状に切った昆布を水に浸して柔らかくして油で炒め、酢と醤油で味付けして人間の皮膚の味に見立てたものをそれぞれ高杯にもりつける。
このごちそうを別室に待っている鬼の前に運び、僧侶たちによって大きな根来塗の杯になみなみと酒がそそがれ、鬼が酔うまで勧められるのである。こうして酔った鬼たちが、いよいよ夜になって松明をかざして暴れ回り、すさまじい「鬼追い式」が始まるのである。


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