「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「子供のための大和伝説」から
「金の茶臼」

宇陀の榛原市からバスで東南へ4㌔、高井から左の方、室生へ通じる山道を1㌔ほどゆくと、赤埴の仏隆寺という古いお寺があります。
室生寺の南門といわれてきたお寺で、ここの宝物として金の茶臼というのがあります。
側面に動物のキリンを彫刻した石の茶臼で、金で破損したところを修理してあり、目方は二十五㌔ほどのものです。
この金の茶臼は、むかし、弘法大師が唐から帰朝されたときに、唐の徳宋皇帝から茶の実といしょにいただいて、持って帰られたものだと伝えています。当時、茶の実も大師手づから寺内にまき付け「こけの国」という茶園になっていたといわれ、いまもこのお寺の付近の山や野には、自生の茶が多いということです。
さて、この茶臼は寛文年間宇陀の松山城主・織田長頼が別荘を建て。茶の湯の会をそたとき、寺から借り受けましたが、鹿のような獣が出て鳴きさわぎ、室の内外をかけ回って器物をこわします。よく調べてみると、茶臼二兆国されたキリンのしわざとわかりました。
それで城主の長頼は大へん立腹して、臼を庭石に投げつけた上、ようやく仏隆寺へかえさせました。金で修理されたきずは、この時のものだといいます。

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