「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

大和の自然
大和は天気予報の発祥の地 1

外部資料

天気は人類の生活に密着に関係があるので、近代科学によると天気予報が生れる前から、人類はいろいろの経験則を用いてきた。これが「天気の諺」でありそのため気象天望が行なわれた。ヨーロッパでは紀元前350年にアリストテレスが、その著書に気象現象を自然哲学的に説明している。ところで、日本固有の天気予報らしい歌は、同じような年代に古事記にあらわされている。
「佐井川よ雲立ちわたり畝火山 木の葉さやぎぬ風吹かむとす 畝火山昼は雲とひ夕されば 風吹かむとぞ木の葉さやげる」
 これは神武天皇の皇后気余理比売の歌で、歌そのものは天気予報の歌ではないが、天気の変化にことよせて人事の変を知らせようとしたものである。
一般に風はまず高層で吹いてそれが下へ降りてくる。従って畝火山の樹木のざわめき、あるいは雲のたたずまい、それから平地に強い風の起るこが予想される。対象になるもしこのような予報則のようなものが、一般の常識としてなかったらならば、これらの歌はなんら役に立たないのである。とにかく、風の吹くという局地予報の知識がすでに神武天皇時代にあって、予報対象になる地形地物として畝傍山が登場している。

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