「うのん」の気象歳時記ブログ

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#正倉院の概要 3
聖語蔵の気象観測
外部資料

正倉院宝庫では人が入って実験観をすることは許されない。それで、同じ校倉造りの聖語蔵について宮内庁の許可を得て昭和25年(1950)6月5日までの期間に実験観測を行った。
この期間中は庫内数か所に週巻きの自記温度計と湿度計を設置し、また6月16日、7月17日、18日 8月4日の4回は庫内の気温分布や微風の観測を行った。
分布は、床下30㎝まで顕著に冷却しており、それから床上130㎝まで下降し、それ以上280㎝までは殆ど一定で、。それ以上は観測の度毎に相当の乱れを示した。一方、熱線微風計による室内風の観測では、垂直気流は床下1mの高さで最も旺盛で、それから上下に風速が減少していた。積み重ねた校木の間には隙間は全くなく、外気が出入りすると思われるのは、床板の隙間と、屋根裏と壁体の継ぎ目にある孔の付近では1m/sec近くの気流があった。しかし、孔から10㎝も離れると、風速は10㎝/secくらいに急減しており、孔から入った気流がすぐに拡散していることを示していた。


昭和20年半ばの観測結果である
専門家においても 今から考えれば 観測機器は不十分なもにであるが、
多くの人々がこの宝物の保存に携わり 大切にしてきたことが 伺うことが出来る。



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