薬師寺近くの うのん から大和気象歳さい
「紀州の龍神民話」から
やまんば
子とろ子とろ どの子をとろか
あの子にしよか この子にしよか
子とろ子とろ
やまんばはこう歌いながら、山から里へ出て来て、子どもとったって言うんですわ。ほいで、子ども連れてかれたら、どうして放してもらったかって言うと、やまんばの口へ向かって、
「大口の神さま、お許し下さい。大口の神さま、お助け下さい」ってお祈りする。ほいたら、子ども放したって言うたよ。
ほいで、昔の子守りが、
「子とろ子とろ・・・・・」って歌うたら、背中の泣く子も、おとろしいってことで泣きやまったって言うたよ。