「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「紀州の龍神民話」から
小川万助と天狗
天狗は人つれて行くなあ。わしとなだいぶ若いかたでね、小川万助っていうかただったんや。それが、おばあさんと二人おってね。万助がどころへ行っておらんようになったんじゃいうんですらよ。よわったなあ、万助おらんというのなんとな、ということでね、それからね、聞いてみたらね、おかしんじゃて。おばあさんに聞いたら、草履から下駄から、履き物古いのやら何やから、くじゅうてからな、この岡あがったっていうにゃな。こりゃおかしいこというなって、しょうない探してみよらっていうて、探してもらったけどちっともいきあたらんのや。そして、しょうないなって、部落の者、四、五人で探したんじゃけどおらんっていうてね。ほしたらね、三日目に戻ってきましたわ。ほして、おまえなんとじゃったんじゃていうたら、宙をついれていってくれたんやっていうんや。それで天狗さんにつれて行かれたんじゃなっていうことになって、わしが知っとるうちではそれが天狗さんの仕業じゃなって思うんやけど。


紀州の口伝えの民話の語りをそのまま編集された本からです。高齢の方々の貴重な話です。
紀州龍神村は歴史とロマンに溢れる地域のお話をそのままブログしています。
本のある喫茶店 うのん では民話や民俗学書物などお読みいただけます。
また 近畿一円の明治20年位 40年位の地図を保有しており 比べてみるのも面白い発見があります。

×

非ログインユーザーとして返信する