「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「紀州の龍神民話」
大蛇
寒川の土井の十代程も前の話じゃが
寒川大海さんて、あの人々大へん川好きじゃってんて言うの。武士でもえらい人じゃさか、いつでも大ぜいの人がいて、夏になったら、童下を連れて滝山へ、あこへ魚とりに行ってんちゃうの。
その当時ゃ、川へ行くにもワラジはいて行った。寒川大海さんもワラジはいてった。ほしたらワラジの鼻緒のゴブのとこ、小っさい、こがいな蛇が巻きついて噛みついてまわる、ほいで大海さんが(こいつぁ生意気な)思て、かー小っさい脇差持っとんので、そいで切ろうとしたさか、そのとたん小っさい蛇や大きな蛇に化けてから、ほいて大海さんはとうに蛇の口の中へ、かい込まれてしもた。
あの滝山には、ウロコみたいな岩の穴があらの?その穴へ大海さんを担ぎ込んだその大きな蛇は、
「三国一の聟とった。」
って一言うて、スーツと穴の中へかたぎ込んでしもたて。

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