「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記「

「川上村昔ばなし」から
「伯母谷のはなし」
天誅の岩屋
天誅組の人でな九州の浪人やったそうやけどな、北山へみて来たらしいわ。ほんで伯母谷へみて下りてきたけど、鉄砲傷でここで働けんようになってしもうたそうや。ほんで伯母谷のもんが皆寄って岩屋へ隠して食べるもんを持って行ったりしてな、二十日程おって養生したそうやなぁ。
これは本当の話やったんやな、元気になって九州へ帰る時にな、伯母谷の人へ「いろいろなお世話になりました」と言うて、短刀を置いてったらしいですわ。ほんで九州からお礼の手紙も来てましたな。それからこのかくまったとこを「天誅の岩屋」言うようになったそうですわ。
ほんでな、そんときにわしの生まれた家に吉村寅太郎さんが泊まったそうでな、ほんでわんわん泣いっとた安政生まれのわしのおじいさんにな、「坊、もうじきええ世が来るさかい、泣かんでもええ」言うたそうで。

×

非ログインユーザーとして返信する