「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「五條のむかし話」から
「瀬の同薬師」 ①
ずっと、ずっとむかし(今から千三百年ほど前)一人の行者さんが白い衣を身にまとい、下駄をはいて棒を手に修業の地をもとめて山道をさまよっていました。
人里をはなれ、切りたったけわしい崖のある深い山はないだろうか。そんなことを考えながら秘境の地をもとめて金剛山地にやってきました。そして道のない原始林の中をかきわけながらきれいな谷川や滝のかかった鬼多山(きたやま)(現在の北山)上之、水沢、大沢の地にやってきました。
「なんて、深い山だろう。」
「この地こそ、わがのぞむ修行場としてもっともよいだ。」
やっと修業の地をみつけてよろこんだ行者、ここに一つの堂をたてて薬師如来をまつり瀬の堂となづけて、ここで呪文をとなえ修行にはげみしました。
それから二百年ほどたったときお大師さん「空海・弘法大師)も高野山と大和、河内とを結ぶこの大沢の地を求めてやってきました。
けわしい山にかけのぼったり、崖をおりて谷へくだったりして、体をきたえると共にお経をよんだり、文字をかいたりして行にはげみました。

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