「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「子供のための大和伝説」から
「鬼のマナイタと鬼のセッチン」

近鉄電車の飛鳥駅で下りて、東方の橘寺へ行く道すじに、鬼のマナイタと鬼のセッチンという二つの石が道の上と下にあります。明日香村の平田というところです。
いづれも人工を加えた大きな石造物で、マナイタの方は平らかな石で、道の上の畑に横たわっていて、いかにも鬼のマナイタのように見えます。
セッチンの方は道の下にずりおちていて、石の箱をななめにあおむけたような形で、なるほど鬼のセッチンのようにみえます。
それで、むかしからこういう伝説が伝わっています。
御所の方から橘寺のある橘の村へ行く街道は、多武峰へ通じる要路でありましたが、その途中の霧が峯というところは、むかしから人の恐ろしがる難所でした。ある時、旅人がこの霧が峯にさしかかると、にわかに霧が深くなって、歩くことができなくなったので、困っていますと、鉄棒を持った鬼がのそりとやって来て、その旅人をおそってしまいました。こんなことは、ちょこちょこありました。
この東北の小高いところが霧が峯といい、鬼が住んでいて、人が通ると霧を降らせて道を迷わせ、その人をさらって来て、マナイタにのせて料理をして食ってしまい、このセッチンで
用をたしていたのだということです。


考古学者の話では,,どこかこの辺に古墳があって、そこから出した石だということです。
道の上のマナイタの上へ、道の下のセッチンをうつむけにのせたか、あおむけにのせてその上にもう一つ石のふたがあったのだろうということです。
付近に欽明天皇の桧隈坂合の陵があるので、その陪塚のものかもそれません。

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