「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「子供のための大和伝説」から
「曲り淵の馬の足跡」

吉野川が五条の町の南を西へ流れてゆくと、二見にいって急角度に川は海へ折れます。その折れたあたりが曲り淵で、淵の深さは測り知ることができないくらいです。そして、その淵の中に馬蹄形のついた大きな石があります。
むかし、ある武士が大ぜいの家来をつれて大和の方へ征伐にきました。その時、馬を走らせて西の方からこの淵の真上に出ました。ふとしたを見ると、けわしいがけと青い淵でしたが、この大将は物ともせず、馬もろとも淵の中に飛びおりました。馬はこの大きな石の上に止まったので、いまにその足跡が残っているのだといいます。
また、別の伝説によりますと、この時の武士は源九郎義経で、兄の頼朝に追われてきた時、飛びおりた趾だともいいます。


この曲り淵には、むかしから主がいるといわれています。河原で櫛を探していますと、その主はいつか自分が櫛に化けて出てきて、その人を引っぱりこんだそうです。
また、この二見の曲り淵に緋鯉が浮くのを見たら、必ずだれか水死人があるという伝説もあります。

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