「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「子供のための大和伝説」から
「黄金の鎧の落武者」

今はなくなっています、むかしは三輪山の南のふもとに、平等寺という大きなお寺がありました。
関東の徳川方と、関西の豊臣方と天下分け目の戦いであった関ヶ原の合戦で、西方が負けて黄金の鎧を着た落武者が一人、この寺へやってきました。
「どうか、しばらく、かくまってください」
と頼みましたが、昔はお寺へ武士は入れられませんので、ここの坊さんは、落武者の頭を丸めて坊主頭にし、お寺へかくまってやることになりました。ところが、そこへ追手の武士がきて、
「ここへ落武者の頭を丸めて坊主頭にし、お寺へかくまってやることになりました。ところが、そこへ追手の武士がきて、
「ここへ落武者がきなかったか」
とたずねました。坊さんは、
「ここはお寺だから、そんなさむらいは一人もおりません。お前さんもさむらいだから早く、寺から出てください。」
といって追いはらいました。それを横で、前の落武者は、みそをすりながら聞いていたということです。
あぶない一命を助けられた落武者は、いくさが終わってから、国へ帰り、その礼として毎年平等院へ米四十石(約60キログラム)を行列を作って持ってきたといいます。また、その時、お寺へ置いておいた黄金作りのよろいは長らくお寺に伝わっていましたが、いゆか盗人にとられてしまったということです。

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