「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「子供のための大和伝説」から
「箸中長者と荒坂長者」(はしなかちょうじゃ と あらさかちょうじゃ)


桜井市箸中にある大きな御陵のような前方後円の古墳は「やまととひももそ姫」のお墓だといわれていますが、一般には、「箸の墓」とよばれており、次のような伝説があります。
むかし、箸中に箸中長者とよばれる長者がいました。この長者のお家には、大きくも小さくもならない「金のあなる木」がありました。
毎日毎日、お金がふえる一方で、長者はあきあきしてきましたので、一度貧乏をしてみたいと思いました。
毎日、三度の食事の時の箸を捨てると天罰で貧乏になれるということを思いついたので、そのようにしてみました。
その捨てた箸の山が今の「箸の墓」だというのです。そのために、箸中長者はとうとう貧乏になってしまったことは、いうまでもありません。


これと同じような話が、五条の今井町にもあります。
近内から五条の方へ行く道の荒坂峠に、むかし、荒坂長者という長者がいました。この長者もお金がありすぎるので、どうかしてこのお金をすくなくするようにと思って、毎日の三度のご飯の度に箸を代えて食べることにし、一度使った箸は同じ場所に捨てさしました。
それで、ついにお箸の塚ができたそうです。それと共に、さすがの長者の家運も傾いてきて、没落してしまったことは、箸中長者と同じことです。

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