「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「子供のための大和伝説」から
「円城寺と東大寺の雨乞い競争」


むかし、仏教が盛んな時、お釈迦さんが修行された印度五山になぞらえて、奈良の付近に菩提山、鹿野園(ろくやえん)誓多林(せたりん)大慈仙(だいじせん)忍辱山(にんにくせん)という五つの寺を巡りました。その寺のあった所が、いまは奈良市の町名として残っています。
忍辱山もその一つで、いまも奈良市忍辱山町に忍辱山円城寺というお寺があります。
また、この忍辱山に三つ池があって、その上池の奥、桧林の中に、高龗神社(たかおかみじんじゃ)というのがあります。そして、その社の前に小さな井戸がありますが、ひでりがつづくと村人たちは井戸の水をさらえ、中に沈めてある鏡(裏に鶴・亀・松・竹の絵がある)をとり出し、日光にあてたのち、村人全部がこの鏡を拝んで、もとの通り、井戸に沈めると、必ず編めが降るといいます。
むかし、忍辱山円城寺と奈良の東大寺が、雨乞いの競争をしたことがありました。
東大寺の方は、
「万一、円城寺が祈って雨が降ったならば、以後、東大寺の僧は大傘をさしません」
といいました。
まず、東大寺が七日間の祈願をいたしました。満願の日になっても一粒の雨も降りませんでした。
つぎに円城寺の番となり、全山総出で、「三つ池」の上の池の奥にある高靇神社に祈願をいたしますと、たちまち一天かき曇り、大粒の雨が降り出して、百姓の難儀を救いました。




むかし、仏教の盛んな

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