「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

柚巻柿 大和の味

外部資料
柿は大和の風物詩の一つ。大和では、柿の木のない農家はないといわれていた。晩秋のころ、鈴成りの真っ赤な柿の風景が見ることがある。
奈良時代には柿があったが、おそらく渋柿であろうと考えられる。したがって、「つるし柿」として食べたかどうか分からないが、奈良が中心となって発達したことは事実である。
渋柿のヘタの柄を縄目に掛けて風通しと日当たりの良い軒下に干し、自然に渋を抜くのが つるし柿である。
渋が抜けたつるし柿は一段と甘味を増し、子供のおやつには重宝なものであった。
柚で巻いた ゆず巻柿 の名で奈良の土産物となった。


本のある喫茶店 うのん
■住所奈良県奈良市七条1丁目11-14
■℡0742-43‐8152
■✉honcafeunon.nara.nisinokyo@gmail.com


柚餅子 十津川 奈良の味

外部資料
奈良県の秘境といわれた十津川郷は、長いあいだ交通に閉ざされて、昭和25年、6年ごろまでは、電灯もない「陸の孤島」と呼ばれた村落であった。十津川に沿った山道は細く険しく熊野、新宮まで続いているが、川の水をせき止めて猿谷ダム。風屋ダムができるにつれて電灯もつき、道幅も広くなって、今は観光地として開発され訪れる人も多く、泊まれる設備も整ってきている。
この十津川村の土産物として売られている「ゆべし」は、十津川の人たちの保存食として昔からつくられていた。
「ゆべし」は「柚餅子」と書き、字のとおりユズのもちである。ユズのヘタの方を少し切り、実を取り出して、中にソバ粉、みそ、もち米、カツオ節、サンショウ、シイタケ、ゴマ、大豆、落花生、コンブ、唐辛子粉を練り混ぜ、酒とみりんで味付けして詰め、蒸してから日に乾かし、わらづとに包み、軒下につるしておくのである。
山深い里の生活では、酒のつまみや弁当、お茶漬けに、各家ではなくてはならない重宝な食物であったのであろう。


本のある喫茶店 うのん
■住所奈良県奈良市七条1丁目11-14
■℡0742-43-8152
■✉honcafeunon.nara.nisinokyo@gmail.com

吉野葛

外部資料

夏の和菓子の代表的なものにクズまんじゅうがある。水でぬらしたササの葉を敷いて、冷たいクズまんじゅうを出されると、ついお薄を一服いただきたくなる。
原料のクズは大和の特産。「吉野葛」は特に良質である。吉野には山野に自生するクズの根っこから採った、今でクズ粉を食べていた部族がいて、国栖人(くずひと)と呼ばれていた。国栖はそのクズからその名が付いたとされている。今も国栖の地名は吉野町の東部にあり、和紙作りで有名である。
クズは秋の七草の一つ。初秋に紫紅色の花が咲き、茎はつるになって横にはったり木にまとい付く。
 本のある喫茶店 うのん
■住所奈良県奈良市七条1丁目11-14
■℡ 0742-43-8152
■✉honcafeunonnara.nisinokyo@gmail.com


大和芋

外部資料
大和の国中から南にかけて、良質の山芋が栽培され、「大和芋」ともいわれ他府県に出荷されている。
「とろろ」にする芋は、山に自然にできる自然薯またはまたは栽培した長芋などがあるが、最もおいしいのは山芋である。赤ちゃんの頭ほどもある塊で、皮を厚めにむき、凹んだところは特にアクが強いので深く削り取り、たっぷりの酢水に浸してアク止めをしたのち、おろし金ですり鉢の中へすりおろして、さらにすりこぎでよくすると、なめらかで口当たりの良い「とろろ」になる。
卵をすり混ぜたり吸い物味のだし汁ですりのばすが、大和では白みそ汁ですりのばしたものである。


本のある喫茶店 うのん
■住所奈良県奈良市七条1丁目11-14
■℡0742‐43‐8152
■✉honcafeunon.nara.nisinokyo@gmail com


奈良漬け 本場の味

外部資料

漬物は貯蔵食品として古くからあったと思われるが、景行天皇のころに、すでに塩漬けが行われていたとも伝えられている。今から千年余り以前に書かれた「延喜式」(宮中の年中行事の儀式や飲食生活について記載されている)の中に「糠漬瓜九寸 、糠漬冬瓜一石」などの文字があり、そのほかナス、ワラビ、フキ、アザミ、ナズナなどの山菜や桃、柿、ナシなどの果物が塩、酒かす、もろみに漬けられていたことも記されている。
かす漬けを、「奈良漬」というのは、奈良は古くから銘酒の産地で酒かすの味もまた美味といわれ、かす漬けの製法の発達が早かったので、奈良以外の土地でかす漬けがつくられても奈良漬といわれ、かす漬けの代名詞になり、「奈良酒」と共に珍重されたようである。
桃山時代に豊臣秀吉が京都で大茶会を催した際、茶事に香の物として奈良のかす漬けを用い、好評を得た。また徳川家康が大阪冬の陣の出陣の折に奈良に泊まり、奈良漬けを賞味して陣営より多量の注文をしたとも伝えられている。江戸時代には、白瓜のほかにナス、小型のスイカ、キュウリなどもかす漬けにされるようになっった。


本のある喫茶店 うのん
■住所奈良県奈良市七条1丁目11-14
■℡0742-43-8152
■✉honcafeunon.nara.nisinokyo@gmail.com