「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から 大和の気象歳時記

大和の自然
平野風
吉野群東吉野村平野では 時々非常に強い風が吹いて家屋に被害が起ることがあった。また農作物にも被害があった。しかもこの強い風は平野の狭い区域に限られて見られる現象であった。隣の地域では何ら風害も受けていないというものである。
これは平野東方2.5㌔にそびえる標高1249.2㍍の高見山を越えてくる山越気流である。土地の人々は高見山の雲足を見て「コチ吹けば大風なるぞ」と予報しおそれている。

外部資料
この種の山越気流によって強風の吹く場所は 相当多くあるが いずれも地形が似ている。しかしながら 平野風だけは 地形も現象も大いに異なっている。
高見山は孤峯をなして 平野はその西側谷間にあって 続く西側は台地をないしている。他の全ての強風の吹く区域は孤峯でなく高台地であり 風下側は海とか平野とかでオープンになっている。また現象では強風だけで雨を混じえないし また強風の方も一定であるのが共通であるが 平野風では強雨を混じえており かつ風向きが定まらない。局地性暴風雨として非常に珍しい例である。

×

非ログインユーザーとして返信する