「うのん」の気象歳時記ブログ

薬師寺近くの小さな本のある喫茶店

薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「川上村の昔話」から
「やかん隠し」
そうかと思や、山へ行て、その、仕事に行て、帰りしな、その、今のこのあたりでは、山へ行くの、きょうびはたいがい便利になったよって自動車で行くけど、昔は歩いて通たよって、その今の、山で茶わかして、はて飲むやろ。ほいたら、その、今の夕方になったら、その、茶わかすやかんいうたら、きょうび、その、やかんを隠すのに、
「ここへ隠すぞー」て、どえらい声でおめいてんて。
「このあほんだら。そんな大きな声でおめいたらあかんがな。人に知られたら盗まれるがな」言うてなにしたら、あほやさかい、どえらい声で、
「ここへ隠しとくぞー」言うて。
へた、明くる日行たら、盗まれてなかってんて。へたら、今度はまた声が小そなって、
「やかんないわー」て、小さい声で言うたて。
おとし話みたいな話、しょうたで。

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