「うのん」の気象歳時記ブログ

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薬師寺近くの うのん から大和気象歳時記

「子供のための大和伝説」から
「五百瀬の淵の河童」(いもせのふちのかっぱ)

牛はハチ人力だが、河童は七人力で、一人力弱かったが、牛をひっぱりこんだという話が十津川村の神納川にあります。
また、五百瀬の淵のまわりで、十津川村中南の人が仕事をしていて、鎌か斧かを落としました。すると、夜になって河童が夢枕に立ち、
「子を生んで育てたいが、金物がおそろしい」
といったので、それをさがして引きあげておきますと、お礼にアメノウオをとってきて寝ている頭の傍において行ったということです。



また、こんな話もあります。
河童が便所から毛の生えた手を出して、人の尻をふきました。それで、その人は、出した手をひっぱて、とってしまいました。
河童は
「その手をかえしてくれ」
といいましたが、とった人が
「抜けた手は、つかないだろう」
といいますと、河童は、
「返してくれれば、それがよくつく薬を教えてやる」
といって、お礼にどこやらの岩の根に生えている金草というのを教えてくれました。
それが大塔の金草で、うちみやくじきによくきく家伝薬(かでんやく)だといいます。

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